Trend Micro Security

TROJ_CRYPTESLA.CAG

2015年4月21日
 解析者: Joachim Suico   

 別名:

Win32:Crypt-RXH [Trj] (Avast); Win32/Filecoder.EM (ESET-NOD32); Trojan.Agent.ED (Malwarebytes)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: はい
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

この暗号化ランサムウェアは、エクスプロイトキット「Fiesta」のマルウェアのペイロードの1つです。通常、エクスプロイトキットは脅威を配信または拡散するために使用されます。

この特定の亜種は、ユーザのファイルを暗号化する活動のほかに、実行中のプロセス(Process Explorer、タスクマネージャ、コマンドプロンプト、Regedit、およびMsconfig)を終了させます。これらは、このランサムウェアを終了させることを困難にします。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。 マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 332,313 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年3月18日
ペイロード ファイルの暗号化, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{random filename}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\key.dat
  • %Application Data%\log.html (list of all encrypted files)
  • %Desktop%\HELP_RESTORE_FILES.bmp
  • %Desktop%\HELP_RESTORE_FILES.txt
  • %Desktop%\CryptoLocker.lnk (shortcut for dropped copy)

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。. %Desktop%フォルダは、現在ログオンしているユーザのデスクトップです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • System1230123

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
svv_e = "%Application Data%\{random filename}.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
*svv_e = "%Application Data%\{random filename}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WallpaperStyle = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"{User Preferences}"」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
TileWallpaper = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"{User Preferences}"」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = "%Desktop%\HELP_RESTORE_FILES.bmp"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"{User Preferences}"」となります。)

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上でプロセスが常駐されていることを確認した場合、以下のいずれかの文字列を含むプロセスまたはサービスを終了します。

  • cmd.exe
  • msconfig
  • regedit
  • procexp
  • taskmgr

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://ipinfo.io/ip

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • https://{BLOCKED}ib47vlep5o.tor2web.fi
  • https://{BLOCKED}ib47vlep5o.tor2web.blutmagie.de
  • https://{BLOCKED}ib47vlep5o.42kjb11.net
  • https://{BLOCKED}q26q2h4jkzj.2kjb10.net

<補足>
インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\key.dat
  • %Application Data%\log.html (暗号化されたすべてのファイルの一覧)
  • %Desktop%\HELP_RESTORE_FILES.bmp
  • %Desktop%\HELP_RESTORE_FILES.txt
  • %Desktop%\CryptoLocker.lnk (作成された自身のコピーのショートカット)

注意:

マルウェアは、物理ドライブ内に存在するすべてのフォルダ内の以下の拡張子を持つファイルを暗号化します。そして、暗号化したファイルの新しいファイル拡張子として「.ECC」を付加します。

  • .sql
  • .mp4
  • .7z
  • .rar
  • .m4a
  • .wma
  • .avi
  • .wmv
  • .csv
  • .d3dbsp
  • .zip
  • .sie
  • .sum
  • .ibank
  • .t13
  • .t12
  • .qdf
  • .gdb
  • .tax
  • .pkpass
  • .bc6
  • .bc7
  • .bkp
  • .qic
  • .bkf
  • .sidn
  • .sidd
  • .mddata
  • .itl
  • .itdb
  • .icxs
  • .hvpl
  • .hplg
  • .hkdb
  • .mdbackup
  • .syncdb
  • .gho
  • .cas
  • .svg
  • .map
  • .wmo
  • .itm
  • .sb
  • .fos
  • .mov
  • .vdf
  • .ztmp
  • .sis
  • .sid
  • .ncf
  • .menu
  • .layout
  • .dmp
  • .blob
  • .esm
  • .vcf
  • .vtf
  • .dazip
  • .fpk
  • .mlx
  • .kf
  • .iwd
  • .vpk
  • .tor
  • .psk
  • .rim
  • .w3x
  • .fsh
  • .ntl
  • .arch00
  • .lvl
  • .snx
  • .cfr
  • .ff
  • .vpp_pc
  • .lrf
  • .m2
  • .mcmeta
  • .vfs0
  • .mpqge
  • .kdb
  • .db0
  • .db
  • .rofl
  • .hkx
  • .bar
  • .upk
  • .das
  • .iwi
  • .litemod
  • .asset
  • .forge
  • .ltx
  • .bsa
  • .apk
  • .re4
  • .sav
  • .lbf
  • .slm
  • .bik
  • .epk
  • .rgss3a
  • .pak
  • .big
  • .unity3d
  • .wotreplay
  • .xxx
  • .desc
  • .py
  • .m3u
  • .flv
  • .js
  • .css
  • .rb
  • .png
  • .jpeg
  • .txt
  • .p7c
  • .p7b
  • .p12
  • .pfx
  • .pem
  • .crt
  • .cer
  • .der
  • .x3f
  • .srw
  • .pef
  • .ptx
  • .r3d
  • .rw2
  • .rwl
  • .raw
  • .raf
  • .orf
  • .nrw
  • .mrwref
  • .mef
  • .erf
  • .kdc
  • .dcr
  • .cr2
  • .crw
  • .bay
  • .sr2
  • .srf
  • .arw
  • .3fr
  • .dng
  • .jpe
  • .jp
  • .cdr
  • .indd
  • .ai
  • .eps
  • .pdf
  • .pdd
  • .psd
  • .dbf
  • .mdf
  • .wb2
  • .rtf
  • .wpd
  • .dxg
  • .xf
  • .dwg
  • .pst
  • .accdb
  • .mdb
  • .pptm
  • .pptx
  • .ppt
  • .xlk
  • .xlsb
  • .xlsm
  • .xlsx
  • .xls
  • .wps
  • .docm
  • .docx
  • .doc
  • .odb
  • .odc
  • .odm
  • .odp
  • .ods
  • .odt

マルウェアは、以下のコマンドを実行することでシャドウコピーを削除します。

  • %System%\vssadmin.exe delete shadows /all /Quiet

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

マルウェアは、復号サービスを利用するための支払を要求します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.561.00
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年3月26日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.561.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年3月26日

手順 1

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TROJ_CRYPTESLA.CAG」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • svv_e = "%Application Data%\{random filename}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • *svv_e = "%Application Data%\{random filename}.exe"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • From: WallpaperStyle = "0"
  • To: WallpaperStyle = "{User Preferences}"
  • From: TileWallpaper = "0"
  • To: TileWallpaper = "{User Preferences}"
  • From: Wallpaper = "%Desktop%\HELP_TO_SAVE_YOUR_FILES.bmp"
  • To: Wallpaper = "{User Preferences}"

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\key.dat
  • %Application Data%\log.html
  • %Desktop%\HELP_RESTORE_FILES.bmp
  • %Desktop%\HELP_RESTORE_FILES.txt
  • %Desktop%\CryptoLocker.lnk

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_CRYPTESLA.CAG」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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