TROJ_CRYPCTB.SME
Windows
- マルウェアタイプ: トロイの木馬型
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: はい
- 感染報告の有無: はい
概要
トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
このファイルを暗号化して身代金を要求する「Cryptoランサムウェア」の亜種は、欧州および中国、中東、アフリカ、インド、中南米における攻撃で確認されました。このランサムウェアは、さまざまなファイルの拡張子を利用してファイルを暗号化します。
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %System Root%\{randomly selected path}\Decrypt All Files {random characters}.txt - copy of the ransom note
- %System Root%\{randomly selected path}\Decrypt All Files {random characters}.bmp - copy of the .bmp file
- %User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.bmp - image used as wallpaper
- %User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.txt - ransom note in text file
- %All Users Profile%\Application Data\{random characters}.html - contains ransom note and list of encrypted files
(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.. %All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.)
マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %User Temp%\{random filename}.exe
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)
マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。
- svchost.exe
- explorer.exe
マルウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %All Users Profile%\Application Data\{randomly selected path}\{random characters}
(註:%All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.)
自動実行方法
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- C:\Windows\Tasks\{random filename}.job
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = "%User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.bmp"
(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user-defined}」となります。)
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
TileWallpaper = 0
その他
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
- {BLOCKED}jrzduo52siy.onion.cab
- {BLOCKED}jrzduo52siy.tor2web.org
- {BLOCKED}jrzduo52siy.onion.gq
- {BLOCKED}jrzduo52siy.tor2web.fi
- {BLOCKED}jrzduo52siy.onion.lt
- {BLOCKED}jrzduo52siy.tor2web.blutmagie.de
マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。
- 3fr
- 7z
- acc
- ai
- arw
- bas
- bay
- bl
- c
- cdr
- cer
- cpp
- cr2
- crt
- crw
- cs
- db
- dbf
- dcr
- dd
- dds
- der
- dng
- doc
- docm
- docx
- dwg
- dxf
- dxg
- end
- eps
- erf
- groups
- indd
- jpe
- jpeg
- jpg
- js
- kdc
- kwm
- md
- mdb
- mdf
- mef
- mrw
- nef
- nrw
- odb
- odm
- odp
- ods
- odt
- orf
- p12
- p7b
- p7c
- pas
- pdd
- pef
- pem
- pfx
- php
- pl
- ppt
- pptm
- pptx
- psd
- pst
- ptx
- pwm
- py
- r3d
- raf
- rar
- raw
- rtf
- rw2
- rwl
- safe
- sql
- srf
- srw
- txt
- vsd
- wb2
- wpd
- wps
- xlk
- xls
- xlsb
- xlsm
- xlsx
- zip
- blend
- dbx
- gdb
- bsdr
- bsdu
- bdcr
- bdcu
- bpdr
- bpdu
- ims
- bds
- bdd
- bdp
- gsf
- gsd
- iss
- arp
- rik
- fdb
- abu
- fig
- con
- rgx
マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状のコピーです。
- %System Root%\{randomly selected path}\Decrypt All Files {random characters}.txt
マルウェアが作成する以下のファイルは、拡張子bmpのファイルのコピーです。
- %System Root%\{randomly selected path}\Decrypt All Files {random characters}.bmp
マルウェアが作成する以下のファイルは、壁紙として利用される画像です。
- %User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.bmp
マルウェアが作成する以下のファイルは、テキストファイル内の脅迫状です。
- %User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.txt
マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状および暗号化されたファイルのリストが含まれています。
- %All Users Profile%\Application Data\{random characters}.html
マルウェアは、コンピュータ上で確認されたすべてのWindowsのシャドウコピーを削除します。
作成された"Decrypt All Files <ランダムな文字>.txt"には、以下の身代金要求のメッセージが含まれています。:
マルウェアは、コンピュータのデスクトップに以下の画像の壁紙を設定します。
マルウェアは、拡張子<ランダムな7文字>を暗号化されたファイルに追加します。(例、"sample.docx.<ランダムな7文字>”)
マルウェアは、身代金要求のメッセージをドイツ語およびオランダ語、イタリア語、英語の4つの言語で表示します。
マルウェアは、ランダムな5つのファイルを復号化することができ、身代金さえ払えばファイルを元に戻すことができるとユーザに思わせます。
サーバとの接続が確立されると、マルウェアは、"%Application Data%\<ランダムに選択されたパス>\<ランダムなファイル名>"の秘密鍵の詳細を保存します
そしてマルウェアは、自動的にファイルを復号化するために、身代金をビットコインで支払うよう要求します。脅迫状には、現金や電子通貨等でのビットコインの購入方法が記載されています。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TROJ_CRYPCTB.SME」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
手順 4
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 5
以下のファイルを検索し削除します。
- %User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.bmp
- %User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.txt
- %User Profile%\My Documents\{random characters}.html
- %Windows%\Tasks\{random filename}.job
- %System Root%\{randomly selected path}\Decrypt All Files {random characters}.txt
- %System Root%\{randomly selected path}\Decrypt All Files {random characters}.bmp
手順 6
変更されたレジストリ値を修正します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
- From: Wallpaper = "%User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.bmp"
To: Wallpaper = "{user-defined}"
- From: Wallpaper = "%User Profile%\My Documents\Decrypt All Files {random characters}.bmp"
手順 7
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_CRYPCTB.SME」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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