Trend Micro Security

RANSOM_WNDIE.B

2018年1月3日
 解析者: Rheniel Rhay Ramos   

 別名:

Trojan.MSIL.DOTHETUK.nfz (Kaspersky); Ransom.WannaDie (Malwarebytes); Ransom:Win32/Genasom (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。これにより、通常はタスクマネージャを介して行うマルウェアのプロセスの終了が実行できなくなります。


  詳細

ファイルサイズ 824,832 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2017年11月17日
ペイロード ファイルの作成, 画像の表示, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • {Executed Malware Location}\proc.bat -> used to grant the user access rights
  • {Executed Malware Location}\pros.vbs -> used to run proc.bat
  • {Executed Malware Location}\@WannaDecrypt0r.png -> used as wallpaper
  • {Executed Malware Location}\a.wndi
  • {Executed Malware Location}\t.wndi
  • {Executed Malware Location}\d.wndi

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • {Executed Malware Location}\@WannaDecrypt0r.exe

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • wanadie

自動実行方法

マルウェアは、<User Startup>フォルダ内に、自身のコピーに誘導する以下のショートカットを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーが自動実行されます。

  • %User Startup%\ms.lnk

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = "1"

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

その他

マルウェアは、以下のメッセージが記載されたポップアップウィンドウを表示します。


ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下の文字列を含むファイルを暗号化します。

  • .dt
  • .1cd
  • .DT
  • .md
  • .dt
  • .hbk
  • .xltm
  • .xltx
  • .xlc
  • .xlm
  • .xlt
  • .hbk
  • .xlw
  • .xlsb
  • .xlsm
  • .xlsx
  • .xls
  • .html
  • htm
  • .csv
  • .dat
  • .ged
  • .key
  • .keychain
  • .pps
  • .ppt
  • .pptx
  • .sdf
  • .tar
  • .tax2014
  • .tax2015
  • .vcf
  • .xml

マルウェアは、以下のディレクトリ内で確認されたファイルを暗号化します。

  • %User Profile%\Recent
  • %User Profile%\MyPictures
  • %User Profile%\MyMusic
  • %User Profile%\MyVideos
  • %User Profile%\Personal
  • %User Profile%\Favorites
  • %All Users Profile%\Documents
  • %All Users Profile%\Pictures
  • %All Users Profile%\Music
  • %All Users Profile%\Videos
  • %All Users Profile%\Desktop
  • %Desktop%

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.. %All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.. %Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.)

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .wndie


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.798.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2017年11月17日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.799.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2017年11月18日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • DisableTaskMgr = "1"

手順 4

「RANSOM_WNDIE.B」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Startup%\ms.lnk
  • {Executed Malware Location}\proc.bat -> used to grant the user access rights
  • {Executed Malware Location}\pros.vbs -> used to run <i>proc.bat</i>
  • {Executed Malware Location}\@WannaDecrypt0r.png -> used as wallpaper
  • {Executed Malware Location}\@WannaDecrypt0r.exe
  • {Executed Malware Location}\a.wndi
  • {Executed Malware Location}\t.wndi
  • {Executed Malware Location}\d.wndi

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「RANSOM_WNDIE.B」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]


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