Trend Micro Security

RANSOM_SIGRUN.THEBAAH

2018年6月5日
 解析者: John Donnie Celestre   
 更新者 : Noel Anthony Llimos

 別名:

Trojan-Ransom.Win32.Cryptor.bsj (Kaspersky), Mal/EncPk-MP (Sophos_Lite)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 48,640 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2018年5月21日
ペイロード メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %All Users Profile%\{Random Characters}.lock
  • {Encrypted Directory}\RESTORE-SIGRUN.html
  • {Encrypted Directory}\RESTORE-SIGRUN.txt

(註:%All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • iexplore.exe /C iexplore.exe SCODEF:3124 CREDAT:14337 <- Used to pop up the ransom page of the malware
  • %Program Files%\Internet Explorer\iexplore.exe -nohome <- Used to Disable the homepage of Internet Explorer

(註:%Program Files%フォルダは、プログラムファイルのフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Program Files"、64bitのOS上で32bitのアプリケーションを実行している場合、 "C:\Program Files (x86)" です。.)

マルウェアは、身代金を要求する手紙として、テキストファイルを作成します。このテキストファイルは以下の内容を含んでいます。

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Valkyrie\
data
public = {Hex Values}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Valkyrie\
data
KeyData = {Hex Values}

その他

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下の文字列を含むファイルを暗号化します。

  • .DIC
  • .acl
  • .acrodata
  • .avi
  • .bak
  • .blog
  • .bmp
  • .btapp
  • .cfg
  • .conf
  • .contact
  • .crl
  • .css
  • .dat
  • .data
  • .db
  • .doc
  • .docx
  • .dot
  • .dotm
  • .dotx
  • .etl
  • .flv
  • .gif
  • .glox
  • .html
  • .info
  • .ini
  • .jpg
  • .js
  • .json
  • .jsonlz4
  • .m4a
  • .metadata
  • .metadata-v
  • .mkv
  • .mp3
  • .mp4
  • .mpt
  • .ods
  • .ods
  • .odt
  • .one
  • .ots
  • .pdf
  • .png
  • .ppt
  • .pptx
  • .pst
  • .rdf
  • .rtf
  • .sdi
  • .searchconnector-ms
  • .sqlite
  • .srs
  • .swf
  • .thmx
  • .timestamp
  • .url
  • .wim
  • .wmv
  • .wtv
  • .xml

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • Bootfont.bin
  • NTDETECT.COM
  • RESTORE-SIGRUN.txt
  • autorun.inf
  • boot.ini
  • bootsect.bak
  • desktop.ini
  • iconcache .db
  • ntldr
  • ntuser.dat
  • ntuser.dat.log
  • thumbs.db

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • %All Users Profile%
  • %Program Files%
  • %ProgramData%
  • %Windows%
  • Boot
  • IETldCache
  • Local Settings
  • Tor Browser

(註:%All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.. %Program Files%フォルダは、プログラムファイルのフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Program Files"、64bitのOS上で32bitのアプリケーションを実行している場合、 "C:\Program Files (x86)" です。.. %ProgramData%フォルダは、Windows Vista および 7 の場合、通常、"C:\ProgramData"、Windows 2000、XP (32ビット)、Server 2003 の場合、"C:\Program Files"、Windows XP (64ビット) の場合、"C:\Program Files (x86)" です。. %Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .sigrun


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.264.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年5月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.265.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年5月21日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「RANSOM_SIGRUN.THEBAAH」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %All Users Profile%\{Random Characters}.lock
  • {Encrypted Directory}\RESTORE-SIGRUN.html
  • {Encrypted Directory}\RESTORE-SIGRUN.txt

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Valkyrie\data
  • public = {Hex Values}
  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Valkyrie\data
  • KeyData = {Hex Values}

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「RANSOM_SIGRUN.THEBAAH」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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