Trend Micro Security

RANSOM_LOCKY.TIAOKAI

2018年3月13日
 解析者: Rheniel Rhay Ramos   

 別名:

Ransom.Rapid (Malwarebytes); W32/Injector.DVHR!tr (Fortinet); Trojan-Banker.Win32.Jimmy.aap (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

このマルウェアは、脆弱性「CVE-2018-4878」を利用するエクスプロイトキット「GreenFlash Sundown Exploit Kit」によってダウンロードされるランサムウェアです。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 231,424 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2018年3月10日
ペイロード メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Temp%\svchosta.exe (Windows Vista or above)
  • %Application Data%\svchosta.exe (Windows XP or below)

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System Root%\Users\Public\PUBLIC (Windows Vista or above)
  • %System Root%\Documents and Settings\Default User\PUBLIC (Windows XP or below)
  • %System Root%\Users\Public\UNIQUE_ID_DO_NOT_REMOVE (Windows Vista or above)
  • %System Root%\Documents and Settings\Default User\UNIQUE_ID_DO_NOT_REMOVE (Windows XP or below)

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\svchostaaexe.bat (Windows Vista or above) -> used to delete initial copy and itself
  • %Application Data%\svchostaaexe.bat (Windows XP or below) -> used to delete initial copy and itself

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

自動実行方法

マルウェアは、<Common Startup>フォルダ内に以下のように自身のコピーを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーの自動実行が可能となります。

  • %User Startup%\start.bat -> used to execute dropped copy

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

その他

マルウェアは、以下のメッセージが記載されたポップアップウィンドウを表示します。


マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • DECRYPT_INFORMATION.html
  • UNIQUE_ID_DO_NOT_REMOVE
  • *exe
  • *dll
  • *lnk
  • *ini
  • *hrmlog

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • Windows
  • AhnLab
  • Microsoft
  • Chrome
  • Mozilla
  • $Recycle.Bin
  • WINDOWS

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Folder Containing Encrypted Files}\DECRYPT_INFORMATION.html

<補足>
インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Temp%\svchosta.exe (Windows Vista またはそれ以降の場合)
  • %Application Data%\svchosta.exe (Windows XP またはそれ以前の場合)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\svchostaaexe.bat (Windows Vista またはそれ以降の場合)→ 最初に作成した自身のコピーと自身を削除するために使用される
  • %Application Data%\svchostaaexe.bat (Windows XP またはそれ以前の場合)→ 最初に作成した自身のコピーと自身を削除するために使用される

自動実行方法

マルウェアは、<Common Startup>フォルダ内に以下のように自身のコピーを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーの自動実行が可能となります。

  • %User Startup%\start.bat → 作成したコピーを実行するために利用される

その他

マルウェアは、CD-ROMドライブを除くすべてのドライブのファイルを暗号化します。

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {暗号化されたファイルが含まれるフォルダ}\DECRYPT_INFORMATION.html

注意: 

以下の脅迫状が表示されます。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.124.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年3月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.125.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年3月13日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「RANSOM_LOCKY.TIAOKAI」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %User Temp%\svchostaaexe.bat (Windows Vista or above)
  • %System Root%\Users\Public\PUBLIC (Windows Vista or above)
  • %System Root%\Users\Public\UNIQUE_ID_DO_NOT_REMOVE (Windows Vista or above)
  • %Application Data%\svchostaaexe.bat (Windows XP or below)
  • %System Root%\Documents and Settings\Default User\PUBLIC (Windows XP or below)
  • %System Root%\Documents and Settings\Default User\UNIQUE_ID_DO_NOT_REMOVE (Windows XP or below)
  • {Folder Containing Encrypted Files}\DECRYPT_INFORMATION.html

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「RANSOM_LOCKY.TIAOKAI」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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