Trend Micro Security

Ransom.Win64.MOUNTLOCKER.E

2021年7月21日
 解析者: Arianne Grace Dela Cruz   

 別名:

Trojan-Ransom.Win32.Gen.abaf (KASPERSKY); a variant of Win64/Filecoder.MountLocker.B trojan (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 68,096 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2021年5月24日
ペイロード ファイルの作成, ファイルの暗号化, メッセージボックスの表示, システム情報の収集, プロセスの強制終了

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\{random characters}.bat -> contains commands to delete original malware executable
  • {Malware File Path}\{Malware File Name}.log -> log file

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • cmd /c ""%User Temp%\{Random characters}.bat" {Malware file path and name}" -> to delete itself after execution

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\
{Generated ID}\shell\Open\
command
(Default) = explorer.exe RecoveryManual.html -> causes the opening of ransom note when an encrypted file is opened

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • Services with the following strings in its service name:
    • SQL
    • database
    • msexchange

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • agntsvc.exe
  • dbeng50.exe
  • dbsnmp.exe
  • dumpcap.exe
  • encsvc.exe
  • excel.exe
  • firefoxconfig.exe
  • infopath.exe
  • ipython.exe
  • isqlplussvc.exe
  • msaccess.exe
  • msftesql.exe
  • mspub.exe
  • mydesktopqos.exe
  • mydesktopservice.exe
  • mysqld.exe
  • mysqld-nt.exe
  • mysqld-opt.exe
  • ocautoupds.exe
  • ocomm.exe
  • ocssd.exe
  • onenote.exe
  • oracle.exe
  • outlook.exe
  • powerpnt.exe
  • procexp.exe
  • procexp64.exe
  • procmon.exe
  • procmon64.exe
  • python.exe
  • QBW32.exe
  • QBW64.exe
  • sqbcoreservice.exe
  • sqlagent.exe
  • sqlbrowser.exe
  • sqlservr.exe
  • sqlservr.exe
  • sqlwriter.exe
  • steam.exe
  • synctime.exe
  • tbirdconfig.exe
  • thebat.exe
  • thebat64.exe
  • thunderbird.exe
  • visio.exe
  • winword.exe
  • wordpad.exe
  • wpython.exe
  • xfssvccon.exe

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Core Count
  • Total Memory
  • Windows Version
  • Windows Architecture
  • User Name
  • Computer Name
  • Join status information

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • It accepts the following parameters:
    • /LOGIN - stolen login credentials
    • /PASSWORD -stolen login credentials
    • /CONSOLE - display console
    • /NODEL - skip self deletion
    • /NOKILL - will not terminate services and processes
    • /NOLOG - no log file
    • /SHAREALL - encrypt network shares
    • /NETWORK{w|s} - execute malware in network shares
    • /PARAMS
    • /TARGET - indicate target path
    • /FAST - fast encryption mode
      • /MIN
      • /MAX
    • /FULLPD
    • /MARKER - create file serving as the infection marker
    • /NOLOCK - indicate file to avoid
  • It checks if SQL is installed in the following folders:
    • Program Files
    • Program Files (x86)
    • ProgramData
  • It propagates in the network via LDAP domain query in Active Directories and drops copies of itself as:
    • \C$\ProgramData\{Malware File Name}.exe
  • Once propagation is successful, it will install the following service for malware execution:
    • Update{random}

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • bootmgr
  • RecoveryManual.html

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • :\Windows\
  • :\SystemVolumeInformation\
  • :\$RECYCLE.BIN\
  • :\SYSTEM.SAV
  • :\WINNT
  • :\$WINDOWS.~BT\
  • :\Windows.old\
  • :\PerfLog\
  • :\Boot
  • :\ProgramData\Microsoft\
  • :\ProgramData\Packages\
  • $\Windows\
  • $\SystemVolumeInformation\
  • $\$RECYCLE.BIN\
  • $\SYSTEM.SAV
  • $\WINNT
  • $\$WINDOWS.~BT\
  • $\Windows.old\
  • $\PerfLog\
  • $\Boot
  • $\ProgramData\Microsoft\
  • $\ProgramData\Packages\
  • \WindowsApps\
  • \Microsoft\Windows\
  • \Local\Packages\
  • \WindowsDefender
  • \microsoftshared\
  • \Google\Chrome\
  • \MozillaFirefox\
  • \Mozilla\Firefox\
  • \InternetExplorer\
  • \MicrosoftEdge\
  • \TorBrowser\
  • \AppData\Local\Temp\

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .ReadManual.{Generated ID}

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted Directory}\RecoveryManual.html

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • bat
  • cat
  • cmd
  • dll
  • exe
  • fon
  • inf
  • lnk
  • msi
  • mui
  • ps1
  • sys
  • ttf
  • vbs
  • ReadManual.{Generated ID}


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.744.07
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年5月27日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.745.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年5月28日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF044

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\{Generated ID}\shell\Open\command
  • (Default) = explorer.exe RecoveryManual.html

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\{random characters}.bat
  • {Malware File Path}\{Malware File Name}.log

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win64.MOUNTLOCKER.E」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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