Trend Micro Security

Ransom.Win64.EVERBE.THCOEAI

2019年5月6日
 解析者: John Rey Canon   

 別名:

Ransom.FileCryptor (Malwarebytes); A Variant Of Win64/Filecoder.Y (ESET-NOD32); Trojan.Ransom.EvilLocker.A (Ad-Aware);

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 246,648 bytes
タイプ EXE
ファイル圧縮 UPX
メモリ常駐 なし
発見日 2019年3月5日
ペイロード プロセスの強制終了, メッセージボックスの表示, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • micguestinterface
  • MsDtsServer100
  • MsDtsServer130
  • MSSQL
  • MSSQLFDLauncher
  • MSSQLSERVER
  • MSSQLServerADHelper100
  • MSSQLServerOLAPService
  • postgresql-x64-9.4
  • ReportServer
  • sql-x64-9.4 UniFi vmms
  • SQLAgent
  • SQLBrowser
  • SQLSERVERAGENT
  • SQLTELEMETRY
  • SQLWriter
  • SSISTELEMETRY130
  • storflt
  • TMBMServer
  • UniFi
  • vmicheartbeat
  • vmickvpexchange
  • vmicrdv
  • vmicshutdown
  • vmictimesync
  • vmicvss
  • vmms

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • cher.exe
  • fdhost.exe
  • fdlauncher.exe
  • MsDtsSrvr.exe
  • msmdsrv.exe
  • ntdbsmgr.exe
  • oracle.exe
  • ReportingServecesService.exe
  • sqlserv.exe
  • sqlservr.exe
  • sqlwriter.exe

その他

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • .diagcab
  • .dll
  • .drv
  • .icl
  • .ico
  • .icns
  • .idx
  • .lnk
  • .mod
  • .mpa
  • .msc
  • .msp
  • .msu
  • .ocx
  • .prf
  • .rom
  • .rtp
  • .scr
  • .shs
  • .spl
  • .sys
  • .theme
  • .themepacks
  • .theme
  • .themepack
  • .seed

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • %Windows%
  • %Program Files%
  • %System Root%\System Volume Information
  • %System Root%\$Recycle.Bin
  • %ProgramData%

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.. %Program Files%フォルダは、デフォルトのプログラムファイルフォルダです。Windows 2000、Server 2003、XP(32-bit),Vista(32-bit)、7(32-bit)、8(32-bit)の場合、通常 "C:\Program Files"です。また、Windows XP(64-bit)、Vista(64-bit)、7(64-bit)、8(64-bit)の場合、通常 "C:\Program Files(x86)" です。. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\ProgramData" です。)

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .seed

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Infected Directory}\!#_How_to_decrypt_files_#!.txt


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.982.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年5月6日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.983.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年5月7日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Ransom.Win64.EVERBE.THCOEAI として検出されたファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]

註:このファイルは、隠しファイルとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

マルウェアのファイルの手動削除:

  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に上記で確認したファイル名を入力してください。
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
    4. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    5. 残りのファイルに対して、この不正なコンポーネントファイルの上記の手順 2.)から 4.)を繰り返してください。
      註:ファイル名の入力欄のタイトルは、Windowsのバージョンによって異なります。(例:ファイルやフォルダ名の検索の場合やファイル名のすべてまたは一部での検索)

  • Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

    1. Windowsエクスプローラ画面を開きます。
      • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
        • [スタート]-[コンピューター]を選択します。
      • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
        • 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
    2. [コンピューターの検索]に、上記で確認したファイル名を入力します。
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    4. 残りのファイルに対して、この不正なコンポーネントファイルの上記の手順 2.)から 3.)を繰り返してください。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
  • 手順 4

    最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win64.EVERBE.THCOEAI」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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