Trend Micro Security

Ransom.Win64.CRYTOX.A

2020年2月12日
 解析者: Earle Maui Earnshaw   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 1,674,752 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2020年2月11日
ペイロード 画像の表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Windows%\Utox.exe → peer-to-peer application used to communicate with attackers
  • %Windows%\rwjfk.bat → deletes shadow copies and deletes all logged tokens of wevtutil.exe
  • %Windows%\pghdn.txt → deletes shadow copies

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • vssadmin delete shadows /all /quiet → Delete shadow copies
  • explorer.exe
  • %Windows%\rwjfk.bat
  • %Windows%\pghdn.txt

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • itkd{4 random characters}

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • svchost.exe
  • explorer.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
open = %System Roo%:\ReadMe.hta

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\.waiting\shell\
open\command
{Default} = %System%\mshta.exe "%System Root%:\ReadMe.hta"

HKEY_CLASSES_ROOT\.waiting\shell\
open\command
en = {HEX VALUES}

HKEY_CLASSES_ROOT\.waiting\shell\
open\command
n = {HEX VALUES}

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • Any processes not included in the list below:
    • DLLHOST.EXE
    • CMD.EXE
    • IEXPLORE.EXE
    • CSRSS.EXE
    • SPOOLSV.EXE
    • RUNDLL32.EXE
    • WININIT.EXE
    • LOGONUI.EXE
    • MSHTA.EXE
    • BFSVC.EXE
    • MSTSC.EXE
    • WEVTUTIL.EXE
    • LSASS.EXE
    • RDPCLIP.EXE
    • TASKLIST.EXE
    • SEARCHINDEXER.EXE
    • CONHOST.EXE
    • SIHOST.EXE
    • VSSADMIN.EXE
    • WEBSERVICES.EXE
    • SVCHOST.EXE
    • FONTDRVHOST.EXE
    • TASKHOSTW.EXE
    • WUDFHOST.EXE
    • MSDTS.EXE
    • CTFMON.EXE
    • SERVICES.EXE
    • EXPLORER.EXE
    • DISKSHADOW.EXE
    • SMSS.EXE
    • WMIPRVSE.EXE
    • ISSCH.EXE
    • SEARCHUI.EXE
    • ADAPTERTROUBLESHOOTER.EXE
    • TASKMGR.EXE
    • SYSTEM
    • [SYSTEM PROCESS]
    • PROCESSHACKER.EXE
    • DFSSVC.EXE
    • WINLOGON.EXE
    • FIND.EXE

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • It encrypts the files in the following drives:
    • Fixed Drives
    • Network Drives
    • Removable Drives

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • ReadMe.hta

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • %Windows%

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • {Random Characters}.waiting

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted Directory}\ReadMe.hta

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .waiting


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.680.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年2月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.681.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年2月13日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF033

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • open = %System Root%:\ReadMe.hta
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\.waiting\shell\open\command
    • {Default} = %System%\mshta.exe "System Root%:\ReadMe.hta"
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\.waiting\shell\open\command
    • en = {HEX VALUES}
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\.waiting\shell\open\command
    • n = {HEX VALUES}

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Windows%\Utox.exe
  • %Windows%\rwjfk.bat
  • %Windows%\pghdn.txt

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win64.CRYTOX.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win64.CRYTOX.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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