Trend Micro Security

Ransom.Win64.AZVO.A

2023年8月22日
 解析者: John Rainier Navato   

 別名:

Ransom:Win64/Azov.psyA!MTB (MICROSOFT)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 227,973 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2023年8月14日
ペイロード ファイルの作成, システムのレジストリの変更, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %ProgramData%\rdpclient.exe ← copy of %System%\msiexec.exe or %System%\perfmon.exe infected with azvo ransomware code

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Local\azov
  • Local\Kasimir_{Letter of Drive being Encrypted}

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Bandera = %ProgramData%\rdpclient.exe

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • It checks if msiexec.exe or perfmon.exe is present in the machine's %System% folder:
    • If msiexec.exe or perfmon.exe is present, it checks if rdpclient.exe is present in the machine's %ProgramData% folder:
      • If rdpclient.exe is not present, it copies msiexec.exe or perfmon.exe as rdpclient.exe in %ProgramData% and injects malicious codes to it.
  • It only encrypts if date and time is on or after:
    • Oct 27, 2022 10:14:29 AM
  • It uses intermittent encryption - encrypts 666 bytes then skips 666 bytes
  • It injects its code to executable files that meets the following conditions:
    • The file is not found in the list of avoided folders/paths
    • The file extension is .exe
    • The file size is less than 20MB
    • The file is a 64-bit executable file
    • The PE section containing the entry point has enough space for the shellcode to be injected

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • RESTORE_FILES.txt

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • Windows
  • Program Data
  • cache2\entries
  • Low\Content.IE5
  • User Data\Default\Cache
  • Documents and Settings
  • All Users

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .azov

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted Path}\RESTORE_FILES.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .dll
  • .exe
  • .ini
  • .azov


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.650.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年8月22日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.651.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年8月23日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF071

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Bandera = %ProgramData%\rdpclient.exe

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ProgramData%\rdpclient.exe
  • {Encrypted Path}\RESTORE_FILES.txt

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win64.AZVO.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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