Trend Micro Security

Ransom.Win32.SPOOSH.THGAGBC

2023年7月27日
 解析者: John Rainier Navato   

 別名:

Generic.Ransom.DCRTR.7E80656D (BITDEFENDER)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 5,153,366 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2023年7月18日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システム情報の収集, ファイルの暗号化, システムのレジストリの変更, プロセスの強制終了, ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\cmd.exe /C "vssadmin delete shadows /all /quiet"
  • %System%\cmd.exe /C "rd /s /q %systemdrive%\$Recycle.bin"
  • %System%\WindowsPowershell\v1.0\powershell.exe -Command "New-ItemProperty -Path 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System' -Name EnableLinkedConnections -Value 1 -PropertyType 'DWord'"
  • %System%\WindowsPowershell\v1.0\powershell.exe -Command "get-service LanmanWorkstation |Restart-Service –Force"
  • attrib.exe -R {Directory to Encrypt}\{File Name to Encrypt}.{File Extension to Encrypt}
  • mshta.exe %System Root%\Boot\cs-CZ\information.hta

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Printers\SettingsLow
DI = {8 Random Alphanumeric Characters}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
EnableLinkedConnections = 1

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

  • %AppDataLocal%\wallpaper.jpg

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • Agntsvc.exe
  • Dbeng50.exe
  • Dbsnmp.exe
  • Encsvc.exe
  • Excel.exe
  • Firefox.exe
  • Infopath.exe
  • Isqlplussvc.exe
  • Msaccess.exe
  • Mspub.exe
  • Mydesktopqos.exe
  • Mydesktopservice.exe
  • Notepad.exe
  • Ocautoupds.exe
  • Ocomm.exe
  • Ocssd.exe
  • Onenote.exe
  • Oracle.exe
  • Outlook.exe
  • Powerpnt.exe
  • Sqbcoreservice.exe
  • Sql.exe
  • Steam.exe
  • Synctime.exe
  • Tbirdconfig.exe
  • Thebat.exe
  • Thunderbird.exe
  • Ut.exe
  • Utweb.exe
  • Visio.exe
  • Winword.exe
  • Wordpad.exe
  • Xfssvccon.exe

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %AppDataLocal%\wallpaper.jpg

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Processor Name
  • Memory
  • Internal IP Address
  • Manufacturer
  • OS Version
  • Computer Name
  • Product Name
  • External IP Address
  • Device ID

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Printers\SettingsLow

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • tcp://{BLOCKED}.{BLOCKED}.154.137:21119

マルウェアは、以下を実行します。

  • It terminates itself if the computer language is Russian
  • It downloads the desktop wallpaper to be set from the following url:
    • https://i.{BLOCKED}g.cc/JzpfvBFf/wallapaper.jpg
  • It connects to the following url to identify the machine's external IP address:
    • https://{BLOCKED}rnalip.com

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • $RECYCLE.BIN
  • $Recycle.Bin
  • $WINDOWS.~BT
  • $WINDOWS.~WS
  • $WinREAgent
  • $Windows.~WS
  • AdwCleaner
  • AppData
  • dev
  • Documents and Settings
  • Hyberfil
  • MSOCache
  • Pagefile
  • PerfLogs
  • Program Files
  • Program Files (x86)
  • ProgramData
  • Recovery
  • SYSTEM.SAV
  • System Volume Information
  • Thumbs
  • Thumbs.db
  • Windows.old
  • windows.old
  • Windows.old.000
  • windows.old.000

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .[[{8 Random Alphanumeric Characters}]].[[{Email Address}]].sophos

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted Directory}\information.hta
  • %System Root%\Boot\cs-CZ\information.hta

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .adv
  • .ani
  • .bat
  • .com
  • .cpl
  • .cur
  • .deskthemepack
  • .Devos
  • .diagcab
  • .diagcfg
  • .diagpkg
  • .dll
  • .drv
  • .faust
  • .hlp
  • .hta
  • .icl
  • .icns
  • .ico
  • .ics
  • .idx
  • .inf
  • .ini
  • .joker
  • .key
  • .ldf
  • .lnk
  • .lock
  • .log
  • .mkp
  • .mod
  • .mpa
  • .msc
  • .msp
  • .msstyles
  • .msu
  • .nls
  • .nomedia
  • .ocx
  • .prf
  • .ps1
  • .regtrans-ms
  • .rom
  • .rtp
  • .scr
  • .shs
  • .sophos
  • .spl
  • .sys
  • .theme
  • .themepack
  • .tmp
  • .wpx

<補足>
情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • プロセッサ名
  • メモリ
  • 内部IPアドレス
  • 製造業者
  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン
  • コンピュータ名
  • 製品名
  • 外部IPアドレス
  • デバイスID

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • コンピュータ言語がロシア語の場合、自身の不正活動を終了します。
  • 設定するデスクトップの壁紙を以下のURLからダウンロードします。
    • https://i.{BLOCKED}g.cc/JzpfvBFf/wallapaper.jpg
  • 以下のURLに接続して、感染コンピュータの外部IPアドレスを特定します。
    • https://{BLOCKED}rnalip.com


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.582.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年7月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.583.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年7月21日

手順 1

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Printers\SettingsLow
    • DI = {8 Random Alphanumeric Characters}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • EnableLinkedConnections = 1

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Printers
    • SettingsLow

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Encrypted Directory}\information.hta
  • %AppDataLocal%\wallpaper.jpg

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.SPOOSH.THGAGBC」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください