Trend Micro Security

Ransom.Win32.PARADISE.B

2019年5月10日
 解析者: Jemimah Mae Molina   

 別名:

TR/AD.ParadiseRansom.DP (ANTIVIR); Trojan-Ransom.Win32.Instructions.ce (KASPERSKY)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 107,008 bytes
タイプ EXE
ファイル圧縮 UPX
メモリ常駐 はい
発見日 2019年4月22日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの暗号化, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\parid.bin - contains unique code

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

自動実行方法

マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\{random characters}.hta
  • %User Startup%\{random characters}.exe

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上でプロセスが常駐されていることを確認した場合、以下のいずれかの文字列を含むプロセスまたはサービスを終了します。

  • mysql
  • IBM
  • bes10
  • black
  • sql
  • store.exe
  • vee
  • postg
  • sage
  • ShadowProtectSvc
  • SPAdminV4
  • SPTimerV4
  • SPTraceV4
  • SPUserCodeV4
  • SPWriterV4
  • SPSearch4
  • firebirdguardiandefaultinstance
  • Simply Accounting Database Connection Manager
  • ibmiasrw
  • QBPOSDBServiceV12
  • QBCFMonitorService
  • QBVSS
  • mr2kserv
  • WinDefend
  • MSExchangeADTopology
  • SQLWriter
  • ReportServer$ISARS
  • SQLBrowser
  • IISADMIN
  • IBM Domino Server (CProgramFilesIBMDominodata)
  • MSExchangeSA
  • MSExchangeIS
  • IBM Domino Diagnostics (CProgramFilesIBMDomino)
  • QuickBooksDB25
  • QuickBooksDB24
  • QuickBooksDB23
  • QuickBooksDB22
  • QuickBooksDB21
  • QuickBooksDB20
  • QuickBooksDB19
  • QuickBooksDB18
  • QuickBooksDB17
  • QuickBooksDB16
  • QuickBooksDB15
  • QuickBooksDB14
  • QuickBooksDB13
  • QuickBooksDB12
  • QuickBooksDB11
  • QuickBooksDB10
  • QuickBooksDB9
  • QuickBooksDB8
  • QuickBooksDB7
  • QuickBooksDB6
  • QuickBooksDB5
  • QuickBooksDB4
  • QuickBooksDB3
  • QuickBooksDB2
  • QuickBooksDB1
  • MSExchangeFBA
  • SQLAgent$MSFW
  • SQLAgent$ISARS
  • MSSQL$MSFW
  • MSSQL$ISARS
  • MSSQLServerADHelper100

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • iplogger.org

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • Windows
  • $Recycle bin
  • System Volume Information
  • Program Files
  • Program Files (x86)

マルウェアは、以下の名称を利用して暗号化されたファイルのファイル名を改称します。

  • {file name}.{file extension}_{unique code}_{petrus34@p-security.li}.sambo

マルウェアは、以下の内容を含む脅迫状のテキストファイルを残します。

  • {Encrypted Directory}\Instructions with your files.txt


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.954.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年4月22日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.955.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年4月23日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「Ransom.Win32.PARADISE.B」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender
    • DisableAntiSpyware = 0

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %Application Data%\parid.bin
  • %User Startup%\{random characters}.hta
  • %User Startup%\{random characters}.exe
  • {Encrypted Directory}\Instructions with your files.txt

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.PARADISE.B」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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