Trend Micro Security

Ransom.Win32.OUROBOROS.THKBOAI

2019年11月22日
 解析者: Jay Bradley Nebre   

 別名:

Trojan-Ransom.Win32.Crypren.afte (Kaspersky); Trojan-Ransom.Ouroboros (IKARUS)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 1,093,120 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2019年11月20日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, メッセージボックスの表示, ファイルの暗号化, ファイルの作成, プロセスの強制終了, ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %All Users Profile%\ids.txt - contains id
  • %All Users Profile%\Pkey.txt - contains key
  • %All Users Profile%\info.txt - contains id and email

(註:%All Users Profile%フォルダは、ユーザの共通プロファイルフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users” です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData” です。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Direct3D\MostRecentApplication
Name = uiapp.exe

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • SQLWriter
  • SQLBrowser
  • MSSQLSERVER
  • MSSQL$CONTOSO1
  • MSDTC
  • SQLSERVERAGENT
  • MSSQLSERVER
  • SQLSERVERAGENT
  • MySQL
  • vds

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • sqlserver.exe
  • msftesql.exe
  • sqlagent.exe
  • sqlbrowser.exe
  • sqlwriter.exe
  • mysqld.exe
  • mysqld-nt.exe
  • mysqld-opt.exe

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のFTPサイトからファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.{BLOCKED}.52/1614CEEEC50A9336EBF690886CAA747D6811C45D37086A3FA7B11C9E83926C6C - save as %All Users Profile%\uiapp.exe(display note)

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • www.{BLOCKED}ev.org/ip-provider.php

マルウェアは、以下の画像を表示します。

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下の名称を利用して暗号化されたファイルのファイル名を改称します。

  • {file name}.{file extension}.Email=[{BLOCKED}@gmail.com]ID=[{Unique ID}].odveta

マルウェアは、以下の内容を含む脅迫状のテキストファイルを残します。

  • Unlock-Files.txt


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.506.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年11月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.507.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年11月21日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF033

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Direct3D\MostRecentApplication
    • Name = uiapp.exe

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %All Users Profile%\ids.txt
  • %All Users Profile%\Pkey.txt
  • %All Users Profile%\info.txt
  • Unlock-Files.txt
  • %All Users Profile%\uiapp.exe

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.OUROBOROS.THKBOAI」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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