Trend Micro Security

Ransom.Win32.NEMTY.N

2020年3月10日
 解析者: Kennard Yap   

 別名:

W32/EKJD!tr (FORTINET)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。


  詳細

ファイルサイズ 106,370 bytes

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Cookies%\{username}@dp-ip[1].txt

(註:%Cookies%フォルダは、Internet Explorer(IE)のCookieフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Cookies"" です。Windows Vista、7の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Cookies"" です。Windows 8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Microsoft\Windows\INetCookies" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • "%System%\cmd.exe" /c vssadmin resize shadowstorage /for={drive letter}: /on={drive letter}: /maxsize=401MB
  • "%System%\cmd.exe" /c vssadmin resize shadowstorage /for={drive letter}: /on={drive letter}: /maxsize=unbounded
  • "C:\Windows\System32\cmd.exe" /c taskkill /f /im sql.* & taskkill /f /im winword.* & taskkill /f /im wordpad.* & taskkill /f /im outlook.* & taskkill /f /im thunderbird.* & taskkill /f /im oracle.* & taskkill /f /im excel.* & taskkill /f /im onenote.* & taskkill /f /im virtualboxvm.* & taskkill /f /im node.* & taskkill /f /im QBW32.* & taskkill /f /im WBGX.* & taskkill /f /im Teams.* & taskkill /f /im Flow.* ;
  • "C:\Windows\System32\cmd.exe" /c bcdedit /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures & bcdedit /set {default} recoveryenabled no & wbadmin delete catalog -quiet & wmic shadowcopy delete;
  • "C:\Windows\System32\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe" -e RwBlAHQALQBXAG0AaQBPAGIAagBlAGMAdAAgAFcAaQBuADMAMgBfAFMAaABhAGQAbwB3AGMAbwBwAHkAIAB8ACAARgBvAHIARQBhAGMAaAAtAE8AYgBqAGUAYwB0ACAAewAkAF8ALgBEAGUAbABlAHQAZQAoACkAOwB9AA==;
  • net stop DbxSvc ;
  • net stop OracleXETNSListener ;
  • net stop OracleServiceXE ;
  • net stop AcrSch2Svc ;
  • net stop AcronisAgent ;
  • net stop Apache2.4 ;
  • net stop SQLWriter ;
  • net stop MSSQL$SQLEXPRESS ;
  • net stop MSSQLServerADHelper100 ;
  • net stop MongoDB ;
  • net stop SQLAgent$SQLEXPRESS ;
  • net stop SQLBrowser ;
  • net stop CobianBackup11 ;
  • net stop cbVSCService11 ;
  • net stop QBCFMontorService ;
  • net stop QBVSS ;
  • taskkill /f /im sql.* ;
  • taskkill /f /im winword.* ;
  • taskkill /f /im wordpad.* ;
  • taskkill /f /im outlook.* ;
  • taskkill /f /im thunderbird.* ;
  • taskkill /f /im oracle.* ;
  • taskkill /f /im excel.* ;
  • taskkill /f /im onenote.* ;
  • taskkill /f /im virtualboxvm.* ;
  • taskkill /f /im node.* ;
  • taskkill /f /im QBW32.* ;
  • taskkill /f /im WBGX.* ;
  • taskkill /f /im Teams.* ;
  • taskkill /f /im Flow.* ;
  • bcdedit /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures ;
  • bcdedit /set {default} recoveryenabled no ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop DbxSvc ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop OracleXETNSListener ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop OracleServiceXE ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop AcrSch2Svc ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop AcronisAgent ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop Apache2.4 ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop SQLWriter ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop MSSQL$SQLEXPRESS ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop MSSQLServerADHelper100 ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop MongoDB ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop SQLAgent$SQLEXPRESS ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop SQLBrowser ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop CobianBackup11 ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop cbVSCService11 ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop QBCFMontorService ;
  • C:\Windows\system32\net1 stop QBVSS ;
  • wbadmin delete catalog -quiet ;
  • wmic shadowcopy delete;

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\NEMTY
cfg = {random characters}

HKEY_CURRENT_USER\Software\NEMTY
fid = NEMTY_{7 random characters}

HKEY_CURRENT_USER\Software\NEMTY
pbkey = {random characters}

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\NEMTY

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • www.myexternalip.com
  • http://api.dp-ip.com

マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://ocsp.{BLOCKED}i.goog/gsr2/ME4wTDBKMEgwRjAJBgUrDgMCGgUABBTgXIsxbvr2lBkPpoIEVRE6gHlCnAQUm%2BIHV2ccHsBqBt5ZtJot39wZhi4CDQHjtJ13zfQMBhkWtuM%3D
  • http://ocsp.{BLOCKED}i.goog/gts1d2/MFEwTzBNMEswSTAJBgUrDgMCGgUABBT4YwNSyUnwC88de5a5l4eUO%2BLQewQUsd0yXei3N3LSzlzOJv5HeeIBCOkCEGmJiasGJ4WACgAAAAAJZOI%3D

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • NEMTY_{7 random characters}

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • NEMTY_{7 random characters}-DECRYPT.txt


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.710.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年2月27日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.711.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年2月28日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\NEMTY
    • cfg = {random characters}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\NEMTY
    • fid = NEMTY_{7 random characters}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\NEMTY
    • pbkey = {random characters}

手順 5

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\NEMTY

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Cookies%\{username}@dp-ip[1].txt
  • NEMTY_{7 random characters}-DECRYPT.txt

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.NEMTY.N」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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