Trend Micro Security

Ransom.Win32.MONEYMESS.THCCOBC

2023年5月11日
 解析者: Carlos Villegas Madrid   

 別名:

UDS:Trojan-Ransom.Win32.MoneyMessage.a (KASPERSKY)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 737,644 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2023年3月30日
ペイロード ファイルの作成, プロセスの強制終了, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • {Drive Letter:}:\money_message.log

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • "%System%\cmd.exe" /c vssadmin.exe delete shadows /all /quiet

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、身代金を要求する手紙として、テキストファイルを作成します。このテキストファイルは以下の内容を含んでいます。

  • {Drive Letter:}:\money_message.log

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 12345-12345-12235-12354

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • vss
  • sql
  • svc$
  • memtas
  • mepocs
  • sophos
  • veeam
  • backup
  • vmms

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • sql.exe
  • oracle.exe
  • ocssd.exe
  • dbsnmp.exe
  • synctime.exe
  • agntsvc.exe
  • isqlplussvc.exe
  • xfssvccon.exe
  • mydesktopservice.exe
  • ocautoupds.exe
  • encsvc.exe
  • firefox.exe
  • tbirdconfig.exe
  • mdesktopqos.exe
  • ocomm.exe
  • dbeng50.exe
  • sqbcoreservice.exe
  • excel.exe
  • infopath.exe
  • msaccess.exe
  • mspub.exe
  • onenote.exe
  • outlook.exe
  • powerpnt.exe
  • steam.exe
  • thebat.exe
  • thunderbird.exe
  • visio.exe
  • winword.exe
  • wordpad.exe
  • vmwp.exe

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • The following may change depending on the malware configuration:
    • info_text_message → serves as ransom note
    • mutex_name
    • extension
    • skip_directories
    • network_public_key
    • network_private_key
    • processes_to_kill
    • logging → network logging in capability
    • domain_login
    • domain_password
    • crypt_only_these_directories
  • It encrypts files found in the following drive types:
    • Fixed drive
    • Removable drive
    • Network drive
  • It displays its execution log and encryption progress in console.
  • It does not append extension on encrypted files.
  • It has the capability to propagate on network shares by logging in pre-defined credentials included on the malware configuration.

マルウェアは、自身がデバッグされていることを確認した場合、不正活動を実行しません。

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • desktop.ini
  • ntuser.dat
  • thumbs.db
  • iconcache.db
  • ntuser.ini
  • ntldr
  • bootfont.bin
  • ntuser.dat.log
  • bootsect.bak
  • boot.ini
  • autorun.inf

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • msocache
  • $windows.~ws
  • system volume information
  • perflogs
  • programdata
  • program files (x86)
  • program files
  • $windows.~bt
  • windows
  • windows.old
  • boot


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.352.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年3月30日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.353.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年3月31日

手順 1

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Drive Letter:}:\money_message.log

手順 4

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.MONEYMESS.THCCOBC」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 5

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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