Trend Micro Security

Ransom.Win32.LOCKBIT.X

2024年9月25日
 解析者: John Rainier Navato   

 別名:

Ransom:Win32/Lockbit.HA!MTB (MICROSOFT)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 151,552 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2024年9月19日
ペイロード ファイルの作成, プロセスの強制終了, ファイルの暗号化, 画像の表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %ProgramData%\trevZifxf.ico → icon used for all encrypted files.
  • %ProgramData%\trevZifxf.bmp → image to set as system wallpaper after encryption.
  • %ProgramData%\{Random}.tmp → used to delete the malware, deleted afterwards

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %ProgramData%\{Random}.tmp
  • "%System%\cmd.exe" /C DEL /F /Q %ProgramData%\{Random}.tmp >> NUL

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 . %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\{Generated Hash}

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes\
.trevZifxf
(Default) = trevZifxf

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes\
trevZifxf\DefaultIcon
(Default) = %ProgramData%\trevZifxf.ico

HKEY_CLASSES_ROOT\trevZifxf\DefaultIcon
(Default) = %ProgramData%\trevZifxf.ico

HKEY_CLASSES_ROOT\.trevZifxf
(Default) = trevZifxf

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes\
.trevZifxf

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes\
trevZifxf

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes\
trevZifxf\DefaultIcon

HKEY_CLASSES_ROOT\.trevZifxf

HKEY_CLASSES_ROOT\trevZifxf

HKEY_CLASSES_ROOT\trevZifxf\DefaultIcon

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、デスクトップの壁紙を変更します。

HKEY_CURRENT_MACHINE\Control Panel\Desktop
WallPaper = %ProgramData%\trevZifxf.bmp

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

  • %ProgramData%\trevZifxf.bmp

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • backup
  • GxBlr
  • GxCIMgr
  • GxCVD
  • GxFWD
  • GxVss
  • memtas
  • mepocs
  • msexchange
  • sophos
  • sql
  • svc$
  • veeam
  • vss

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • agntsvc
  • calc
  • dbeng50
  • dbsnmp
  • encsvc
  • excel
  • firefox
  • infopath
  • isqlplussvc
  • msaccess
  • mspub
  • mydesktopqos
  • mydesktopservice
  • notepad
  • ocautoupds
  • ocomm
  • ocssd
  • onedrive
  • onenote
  • oracle
  • outlook
  • powerpnt
  • sqbcoreservice
  • sql
  • steam
  • synctime
  • tbirdconfig
  • thebat
  • thunderbird
  • visio
  • winword
  • wordpad
  • wuauclt
  • xfssvccon

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • It changes the encrypted file icon to the following image:
  • It encrypts fixed, removable and network shares
  • If not executed with admin rights, it will attempt relaunch itself as admin by elevating its privileges via bypassing UAC.
  • It deletes files in recycle bin folder for removable and fixed drives
  • It uses WQL to delete shadow copies
  • It deletes the following services:
    • WdBoot
    • WdFilter
    • WdNisDrv
    • WdNisSvc
    • WinDefend
    • wscsvc
    • sppsvc
    • Sense
    • SecurityHealthService

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • -safe →Reboots in safeboot, then encrypts the user's machine
  • -wall → Changes system Wallpaper and Print ransom note on printers then deletes itself after renaming for 26 times.
  • -path {target} → Specifically encrypt the target, can be file or folder
  • -del → Deletes itself after renaming for 26 times.

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • autorun.inf
  • boot.ini
  • bootfont.bin
  • bootsect.bak
  • d3d9caps.dat
  • desktop.ini
  • GDIPFONTCACHEV1.DAT
  • iconcache.db
  • ntldr
  • ntuser.dat
  • ntuser.dat.log
  • ntuser.ini
  • thumbs.db

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • $recycle.bin
  • $windows.~bt
  • $windows.~ws
  • all users
  • boot
  • config.msi
  • default
  • intel
  • microsoft
  • msocache
  • perflogs
  • program files
  • program files (x86)
  • programdata
  • public
  • system volume information
  • tor browser
  • windows
  • windows.old
  • x64dbg

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .trevZifxf

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted Directory}\trevZifxf.README.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • 386
  • adv
  • ani
  • bat
  • bin
  • cab
  • cmd
  • com
  • cpl
  • cur
  • deskthemepack
  • diagcab
  • diagcfg
  • diagpkg
  • dll
  • drv
  • exe
  • hlp
  • hta
  • icl
  • icns
  • ico
  • ics
  • idx
  • key
  • ldf
  • lnk
  • lock
  • mod
  • mpa
  • msc
  • msi
  • msp
  • msstyles
  • msu
  • nls
  • nomedia
  • ocx
  • pdb
  • prf
  • ps1
  • rom
  • rtp
  • scr
  • search-ms
  • shs
  • spl
  • sys
  • theme
  • themepack
  • wpx


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 19.610.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2024年9月24日
VSAPI OPR パターンバージョン 19.611.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2024年9月25日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF085

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ProgramData%\trevZifxf.ico
  • %ProgramData%\trevZifxf.bmp
  • %ProgramData%\{Random}.tmp
  • {Encrypted Directory}\trevZifxf.README.txt

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes\.trevZifxf
    • (Default) = trevZifxf
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes\trevZifxf\DefaultIcon
    • (Default) = %ProgramData%\trevZifxf.ico
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\.trevZifxf
    • (Default) = trevZifxf
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\trevZifxf\DefaultIcon
    • (Default) = %ProgramData%\trevZifxf.ico

手順 6

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes
    • .trevZifxf
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Classes
    • trevZifxf
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • .trevZifxf
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • trevZifxf

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.LOCKBIT.X」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。

手順 9

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]

手順 10

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.LOCKBIT.X」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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