Trend Micro Security

Ransom.Win32.FCRYPT.THBAAAI

2019年3月13日
 解析者: Jay Bradley Nebre   

 別名:

VBS/KillBackup.B trojan, VBS/KillBackup.B trojan, VBS/KillBackup.B trojan(NOD32);

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 2,042,880 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2019年2月11日
ペイロード ファイルの削除

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\{8random characters}.bat;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\delsc.vbs;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\FCrypt.txt.tmp;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\FCRYPT_RSA_PUBLIC_KEY.TMP;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\gpg.exe;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\gpg-agent.exe;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libassuan-0.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libgcrypt-20.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libgpg-error-0.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libgpgme-11.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libksba-8.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libnpth-0.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libsqlite3-0.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\md5.exe;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\svchost.exe;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\zlib1.dll;
  • %User Temp%\FCRYPT.KEY;
  • %User Temp%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt;
  • %User Temp%\FCRYPT_VICTIM.TMP;
  • %Desktop%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt;

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Desktop%フォルダは、現在ログオンしているユーザのデスクトップです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • cmd.exe /c ""%User Temp%\{8random characters}.bat" {malware filename}.exe"
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\svchost.exe -e {random generated md5 hash} "{target file}" "{targetfile}.FCrypt" - for every file targeted

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のファイルを削除します。

  • %User Temp%\{8random characters}.bat;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\delsc.vbs;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\FCrypt.txt.tmp;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\FCRYPT_RSA_PUBLIC_KEY.TMP;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\gpg.exe;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libgpgme-11.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libksba-8.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\libsqlite3-0.dll;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\md5.exe;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\svchost.exe;
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}\zlib1.dll;

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
FCRYPT\Shell\Open\
Command

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
FCRYPT\DefaultIcon
{default} = C:\Windows\System32\shell32.dll,-48

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
.FCrypt
{default} = FCRYPT

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
FCRYPT1 = notepad %User Temp%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
FCRYPT2 = attrib -h C:\Users\dyituser_732\Desktop\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
FCRYPT3 = copy %User Temp%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt %Desktop%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下の文字列を含むファイルを暗号化します。

  • .xls
  • .doc
  • .xlsx
  • .docx
  • .pdf
  • .rtf
  • .cdr
  • .psd
  • .dwg
  • .cd
  • .mdb
  • .1cd
  • .dbf
  • .sqlite
  • .jpg
  • .jpeg
  • .zip
  • .bmp
  • .txt
  • .rar
  • .mp4
  • .sql
  • .c
  • .cpp
  • .java
  • .php
  • .asp
  • .svg
  • .psd
  • .bak
  • .html

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .Fcrypt

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %Desktop%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.806.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年2月11日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.807.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年2月12日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.FCrypt
    • {default} = FCRYPT;
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\FCRYPT\DefaultIcon
    • {default} = C:\Windows\System32\shell32.dll,-48
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • FCRYPT1 = notepad %User Temp%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • FCRYPT2 = attrib -h C:\Users\dyituser_732\Desktop\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • FCRYPT3 = copy %User Temp%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt C:\Users\dyituser_732\Desktop\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt;

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %User Temp%\qb{6random characters}.{2random characters}

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Desktop%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt
  • %User Temp%\FCRYPT.KEY
  • %User Temp%\#HELP-DECRYPT-FCRYPT1.1#.txt
  • %User Temp%\FCRYPT_VICTIM.TMP

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.FCRYPT.THBAAAI」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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