Trend Micro Security

Ransom.Win32.FAKEGLOBE.ACDT

2019年8月6日
 解析者: Arianne Grace Dela Cruz   

 別名:

Ransom:Win32/Ergop.A (MICROSOFT); W32/Ransom.HL.gen!Eldorado (FPROT)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 55,808 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2019年7月23日
ペイロード プロセスの強制終了, メッセージボックスの表示, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、異なるファイル名を用いて以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\{malware name}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

自動実行方法

マルウェアは、作成されたコンポーネントがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
CertificatesCheck = "%Application Data%\{malware name}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Terminal Server Client\Servers

マルウェアは、以下のレジストリキーを削除します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Terminal Server Client\Default

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Terminal Server Client\Servers

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • SQL
  • Outlook
  • SSMS
  • Postgre
  • 1c
  • Excel
  • Word

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • tmp{random}.tmp.bat - used to delete shadow copies, add registry entries, and delete registry entries

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • Avast
  • AVG
  • Avira
  • Chrome
  • Common Files
  • COMODO
  • Dr.Web
  • ESET
  • Internet Explorer
  • Kaspersky Lab
  • McAfee
  • Microsoft
  • Microsoft Help
  • Microsoft Shared
  • Microsoft.NET
  • Movie Maker
  • Mozilla Firefox
  • ntldr
  • NVIDIA Corporation
  • Opera
  • Outlook Express
  • ProgramData
  • spytech software
  • Symantec
  • Symantec_Client_Security
  • sysconfig
  • system volume information
  • Windows
  • Windows App Certification Kit
  • Windows Defender
  • Windows Kits
  • Windows Mail
  • Windows Media Player
  • Windows Multimedia Platform
  • Windows NT
  • Windows Phone Kits
  • Windows Phone Silverlight Kits
  • Windows Photo Viewer
  • Windows Portable Devices
  • Windows Sidebar
  • WindowsPowerShell
  • Wsus
  • YandexBrowser

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .crypt

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Ecnrypted File Directory}\how_to_back_files.html


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.182.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年6月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.183.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年6月19日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • CertificatesCheck = "%Application Data%\{malware name}"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{malware name}.exe
  • tmp{random}.tmp.bat
  • {Encrypted File Directory}\how_to_back_files.html

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.FAKEGLOBE.ACDT」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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