Trend Micro Security

Ransom.Win32.ERIS.C

2019年8月26日
 解析者: Jemimah Mae Molina   

 別名:

Trojan-Ransom.Eris (IKARUS); a variant of Win32/Filecoder.Eris.B trojan (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 1,803,776 bytes
タイプ EXE
ファイル圧縮 UPX
メモリ常駐 なし
発見日 2019年8月5日
ペイロード プロセスの強制終了, URLまたはIPアドレスに接続, メッセージボックスの表示, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • taskkill.exe /f /im mysqld.exe
  • taskkill.exe /f /im sqlwriter.exe
  • taskkill.exe /f /im sqlserver.exe
  • taskkill.exe /f /im MSExchange*
  • taskkill.exe /f /im Microsoft.Exchange.*

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上でプロセスが常駐されていることを確認した場合、以下のいずれかの文字列を含むプロセスまたはサービスを終了します。

  • sql
  • backup
  • malware
  • server
  • agent
  • http
  • apache

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %ProgramData%\00000000.pky → contains public key
  • %ProgramData%\00000000.eky → contains encryption key
  • %ProgramData%\00000000.ext → contains file extension of encrypted files

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://extreme-ip{BLOCKED}.com/json

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}wzczbcbi4edpi4tx3khwbnty3obfhemd5i5gbyci3hxx3k5pad.{BLOCKED}n.pet/api/v1/check
  • http://{BLOCKED}wzczbcbi4edpi4tx3khwbnty3obfhemd5i5gbyci3hxx3k5pad.{BLOCKED}n.pet/api/v1/sync

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • .sys
  • .com
  • autoexec.bat
  • boot.ini
  • ntdetect.com
  • msdos.sys
  • io.sys
  • pagefile.sys
  • ntuser.dat
  • config.sys
  • ntldr

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • windows
  • windows.old
  • system volume information
  • $recycle.bin
  • program files
  • program files (x86)
  • programdata
  • i386
  • amd64
  • sysvol

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .{5 random characters}

マルウェアは、以下の内容を含む脅迫状のテキストファイルを残します。

  • {Encrypted Directory}\HELP-{5 random characters}.txt


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.314.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年8月22日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.315.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年8月23日

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ProgramData%\00000000.pky
  • %ProgramData%\00000000.eky
  • %ProgramData%\00000000.ext
  • {Encrypted Directory}\HELP-{5 random characters}.txt

手順 5

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.ERIS.C」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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