Trend Micro Security

Ransom.Win32.BLACKMATTER.SMYXBHMT

2021年10月11日
 解析者: Maria Emreen Viray   

 別名:

Ransom:Win32/BlackMatter.PAB!MTB (MICROSOFT)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 79,360 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 なし
発見日 2021年10月9日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • used as wallpaper:
    • %ProgramData%\{appended ransomware extension}.bmp

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\{Generated hash based on GUID}

他のシステム変更

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • mepocs
  • memtas
  • veeam
  • svc$
  • backup
  • sql
  • vss

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • encsvc
  • thebat
  • mydesktopqos
  • xfssvccon
  • firefox
  • infopath
  • winword
  • steam
  • synctime
  • notepad
  • ocomm
  • onenote
  • mspub
  • thunderbird
  • agntsvc
  • sql
  • excel
  • powerpnt
  • outlook
  • wordpad
  • dbeng50
  • isqlplussvc
  • sqbcoreservice
  • oracle
  • ocautoupds
  • dbsnmp
  • msaccess
  • tbirdconfig
  • ocssd
  • mydesktopservice
  • visio

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Machine GUID
  • Computer name
  • Hostname
  • Username
  • Domain
  • OS Architecture
  • Language
  • Disk information (free size, disk size)
  • Total number of files
  • Total number of encrypted files

情報収集

マルウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}zip.org/?{encrypted string}

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • Optionally encrypts Microsoft Exchange files in %ExchangeInstallPath%\Mailbox directory.
  • If not executed with admin rights, it will relaunch itself as admin.
  • It encrypts fixed, removable and network drives.
  • It deletes files in recycle bin folder for removable and fixed drives.
  • It uses WQL to delete shadow copies.
  • Optionally prints out a ransom note using the default printer.

ランサムウェアの不正活動

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {appended ransomware extension}.README.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • 386
  • adv
  • ani
  • bat
  • bin
  • cab
  • cmd
  • com
  • cpl
  • cur
  • deskthemepack
  • diagcab
  • diagcfg
  • diagpkg
  • dll
  • drv
  • exe
  • hlp
  • hta
  • icl
  • icns
  • ico
  • ics
  • idx
  • key
  • ldf
  • lnk
  • lock
  • mod
  • mpa
  • msc
  • msi
  • msp
  • msstyles
  • msu
  • nls
  • nomedia
  • ocx
  • pdb
  • prf
  • ps1
  • rom
  • rtp
  • scr
  • shs
  • spl
  • sys
  • theme
  • themepack
  • wpx


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.952.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年9月7日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.953.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年9月8日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • TROJ.Win32.TRX.XXPE50FFF049

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ProgramData%\{appended ransomware extension}.bmp
  • {appended ransomware extension}.README.txt

手順 6

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.BLACKMATTER.SMYXBHMT」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。

手順 9

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.BLACKMATTER.SMYXBHMT」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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