Trend Micro Security

Ransom.Win32.AVOSLOCKER.SMYXBLNT

2022年2月9日
 解析者: Patrick Noel Collado   

 別名:

Win32/AvosLocker.MBK!MTB (Microsoft), Win32/Filecoder.AvosLocker.A (Bitdefender)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 826,880 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
ペイロード メッセージボックスの表示, ファイルの暗号化, プロセスの強制終了

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\{Random Digits}.png - Wallpaper

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • cmd /c wmic shadowcopy delete /nointeractive
  • cmd /c vssadmin.exe Delete Shadows /All /Quiet
  • cmd /c bcdedit /set {default} recoveryenabled No
  • cmd /c bcdedit /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures
  • cmd /c powershell -command "Get-EventLog -LogName * | ForEach { Clear-EventLog $_.Log }"
  • powershell -Command "$a = [System.IO.File]::ReadAllText(\"D:\GET_YOUR_FILES_BACK.txt\");Add-Type -AssemblyName System.Drawing;$filename = \"$env:temp\$(Get-Random).png\";$bmp = new-object System.Drawing.Bitmap 1920,1080;$font = new-object System.Drawing.Font Consolas,10;$brushBg = [System.Drawing.Brushes]::Black;$brushFg = [System.Drawing.Brushes]::White;$format = [System.Drawing.StringFormat]::GenericDefault;$format.Alignment = [System.Drawing.StringAlignment]::Center;$format.LineAlignment = [System.Drawing.StringAlignment]::Center;$graphics = [System.Drawing.Graphics]::FromImage($bmp);$graphics.FillRectangle($brushBg,0,0,$bmp.Width,$bmp.Height);$graphics.DrawString($a,$font,$brushFg,[System.Drawing.RectangleF]::FromLTRB(0, 0, 1920, 1080),$format);$graphics.Dispose();$bmp.Save($filename);reg add \"HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\" /v Wallpaper /t REG_SZ /d $filename /f;Start-Sleep 1;rundll32.exe user32.dll, UpdatePerUserSystemParameters, 0, $false;"
  • %System%\reg.exe add "HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop" /v Wallpaper /t REG_SZ /d C:\Users\DYITUS~1\AppData\Local\Temp\1544981028.png /f
  • %System%\rundll32.exe user32.dll UpdatePerUserSystemParameters 0 False

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Zheic0WaWie6zeiy -> Only if "--nomutex" is not used

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、デスクトップの壁紙を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = %User Temp%\{Random Digits}.png

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

  • %User Temp%\{Random Digits}.png

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • encsvc
  • thebat
  • mydesktopqos
  • xfssvccon
  • firefox
  • infopath
  • winword
  • steam
  • synctime
  • notepad
  • ocomm
  • onenote
  • mspub
  • thunderbird
  • agntsvc
  • sql
  • excel
  • powerpnt
  • outlook
  • wordpad
  • dbeng50
  • isqlplussvc
  • sqbcoreservice
  • oracle
  • ocautoupds
  • dbsnmp
  • msaccess
  • tbirdconfig
  • ocssd
  • mydesktopservice
  • visio

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • This Ransomware displays its encryption progress in console.
  • It encrypts files found in the following drives:
    • Fixed Drives
    • Removable Drives
    • Network Share Drives
  • It checks if the file it tries to encrypt is being ran by another process
    • If the file is currently being used by another process, the ransomware kills the process and proceeds with encryption

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • -p, --path [Path to Encrypt] →
  • -b, --brutesmb → Bruteforce SMB for logical drives
  • --nomutex → Disable mutex / ignore other instances
  • -l, --disabledrives → Disable logical drives enumeration
  • -n, --enablesmb → Enable SMB enumeration
  • -t, --threads [No of Threads] → Max threads for encryption (default:200)
  • -h, --help → Print usage

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • autorun.inf
  • boot.ini
  • bootfont.bin
  • bootsect.bak
  • config.msi
  • desktop.ini
  • iconcache.db
  • ntldr
  • ntuser.dat
  • ntuser.dat.log
  • ntuser.ini
  • thumbs.db
  • Thumbs.db

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • All Users
  • AppData
  • boot
  • bootmgr
  • Games
  • Intel
  • Microsoft. [Directory name starts with Microsoft.]
  • Program Files
  • ProgramData
  • Public
  • Sophos
  • System Volume Information
  • Windows
  • Windows.old
  • WinNT

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .avos2

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %Desktop%\GET_YOUR_FILES_BACK.txt
  • {Encrypted Directory}\GET_YOUR_FILES_BACK.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • avos
  • avoslinux
  • avos2
  • avos2j
  • themepack
  • nls
  • diagpkg
  • msi
  • lnk
  • exe
  • cab
  • scr
  • bat
  • drv
  • rtp
  • msp
  • prf
  • msc
  • ico
  • key
  • ocx
  • diagcab
  • diagcfg
  • pdb
  • wpx
  • hlp
  • icns
  • rom
  • dll
  • msstyles
  • mod
  • ps1
  • ics
  • hta
  • bin
  • cmd
  • ani
  • 386
  • lock
  • cur
  • idx
  • sys
  • com
  • deskthemepack
  • shs
  • ldf
  • theme
  • mpa
  • nomedia
  • spl
  • cpl
  • adv
  • icl
  • msu


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 17.268.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年12月22日
VSAPI OPR パターンバージョン 17.269.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年12月23日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    Ransom.Win32.TRX.XXPE50FFF053

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

「Ransom.Win32.AVOSLOCKER.SMYXBLNT」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %User Temp%\{Random Digits}.png

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.AVOSLOCKER.SMYXBLNT」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]

手順 8

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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