Trend Micro Security

Ransom.MSIL.TENCRYPT.THCAABD

2024年11月15日
 解析者: John Rainier Navato   

 別名:

Ransom:MSIL/Filecoder.PK!MSR (MICROSOFT)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 22,528 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2024年3月11日
ペイロード ファイルの作成, プロセスの強制終了, システムのレジストリの変更, 画像の表示, ファイルの暗号化

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\cmd.exe /C vssadmin delete shadows /all /quiet & wmic shadowcopy delete
  • %System%\cmd.exe /C bcdedit /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures & bcdedit /set {default} recoveryenabled no
  • %System%\cmd.exe /C wbadmin delete catalog -quiet

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
RESTORE_FILES-{Computer Name} = {Malware File Path}\{Malware File Name}.{Malware File Extension}

他のシステム変更

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

  • %User Temp%\{9 Random Characters}.jpg

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • agntsvc
  • CNTAoSMgr
  • code
  • dbeng50
  • dbsnmp
  • encsvc
  • excel
  • firefoxconfig
  • infopath
  • isqlplussvc
  • mbamtray
  • msaccess
  • msftesql
  • mspub
  • mydesktopqos
  • mydesktopservice
  • mysqld
  • mysqld-nt
  • mysqld-opt
  • Ntrtscan
  • ocautoupds
  • ocomm
  • ocssd
  • onenote
  • oracle
  • outlook
  • PccNTMon
  • powerpnt
  • ProcessHacker
  • sqbcoreservice
  • sqlagent
  • sqlbrowser
  • sqlservr
  • sqlwriter
  • steam
  • synctime
  • tbirdconfig
  • thebat
  • thebat64
  • thunderbird
  • tmlisten
  • VBoxSVC
  • VirtualBoxVM
  • visio
  • vmplayer
  • winword
  • wordpad
  • wps
  • xfssvccon
  • zoolz

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • It checks if the size of the file to encypt is less than or greater than 524,288 bytes
    • If it is less than 524,288 bytes, it will encrypt the whole file.
    • If it is greater than 524,288 bytes, it will use intermittent encryption - First 131,072 bytes, another 131,072 bytes from the middle of the file, and the last 131,072 bytes
  • It empties the recycle bin.
  • It encrypts its targeted files twice.
  • It avoids encrypting files with the following file names:
    • autorun.inf
    • boot.ini
    • bootfont.bin
    • bootmgfw.efi
    • bootmgr
    • bootmgr.efi
    • desktop.ini
    • iconcache.db
    • ntuser.dat
    • ntuser.ini
    • RESTORE_FILES-{Computer Name}.txt
    • thumbs.db

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • c:\perflogs
  • c:\program files
  • c:\program files (x86)
  • c:\programdata
  • c:\users\all users
  • c:\users\default
  • c:\windows
  • c:\windows.old

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • $recycle.bin
  • $windows.~bt
  • $windows.~ws
  • appdata
  • documents and settings
  • intel
  • mozilla
  • PerfLogs
  • perflogs
  • program files
  • program files (x86)
  • programdata
  • system volume information
  • windows
  • windows.old
  • windows.old.old

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .crypted

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {Encrypted File Path}\RESTORE_FILES-{Computer Name}.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • {Files with no file extension}
  • .386
  • .adv
  • .ani
  • .bat
  • .bin
  • .cab
  • .cmd
  • .com
  • .cpl
  • .crypted
  • .cur
  • .deskthemepack
  • .diagcab
  • .diagcfg
  • .diagpkg
  • .dll
  • .drv
  • .exe
  • .hlp
  • .hta
  • .icl
  • .icns
  • .ico
  • .ics
  • .idx
  • .key
  • .ldf
  • .lnk
  • .lock
  • .mod
  • .mpa
  • .msc
  • .msi
  • .msp
  • .msstyles
  • .msu
  • .nls
  • .nomedia
  • .ocx
  • .pdb
  • .prf
  • .ps1
  • .rom
  • .rtp
  • .scr
  • .shs
  • .spl
  • .sys
  • .theme
  • .themepack
  • .wpx

<補足>
その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • 暗号化するファイルのサイズが524,288バイトより小さいか大きいかを確認します。
    • 524,288バイト未満の場合、ファイル全体を暗号化します。
    • 524,288バイトを超える場合は、断続的な暗号化を用います。 - 最初の131,072バイト、ファイルの中央からさらに131,072バイト、および最後の131,072バイト
  • ごみ箱を空にします。
  • 標的とするファイルを2回暗号化します。
  • 以下のファイル名を持つファイルの暗号化はしません。
    • autorun.inf
    • boot.ini
    • bootfont.bin
    • bootmgfw.efi
    • bootmgr
    • bootmgr.efi
    • desktop.ini
    • iconcache.db
    • ntuser.dat
    • ntuser.ini
    • RESTORE_FILES-{コンピュータ名}.txt
    • thumbs.db


      対応方法

    対応検索エンジン: 9.800
    初回 VSAPI パターンバージョン 19.210.04
    初回 VSAPI パターンリリース日 2024年3月11日
    VSAPI OPR パターンバージョン 19.211.00
    VSAPI OPR パターンリリース日 2024年3月12日

    手順 1

    トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

      • TROJ.Win32.TRX.XXPE50FFF077

    手順 2

    Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 3

    このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

    手順 4

    Windowsをセーフモードで再起動します。

    [ 詳細 ]

    手順 5

    このレジストリ値を削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
      • RESTORE_FILES-{Computer Name} = {Malware File Path}\{Malware File Name}.{Malware File Extension}

    手順 6

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
    • {Encrypted File Path}\RESTORE_FILES-{Computer Name}.txt
    • %User Temp%\{9 Random Characters}.jpg
  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に以下のファイル名を入力してください。
      • {Encrypted File Path}\RESTORE_FILES-{Computer Name}.txt
      • %User Temp%\{9 Random Characters}.jpg
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
    4. 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    5. 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。

  • Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

    1. Windowsエクスプローラ画面を開きます。
      • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
        • [スタート]-[コンピューター]を選択します。
      • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
        • 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
    2. [コンピューターの検索]に、以下を入力します。
      • {Encrypted File Path}\RESTORE_FILES-{Computer Name}.txt
      • %User Temp%\{9 Random Characters}.jpg
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    4. 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.MSIL.TENCRYPT.THCAABD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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