Trend Micro Security

Ransom.MSIL.PHOBOS.B

2020年5月1日
 解析者: Paul Steven Nadera   

 別名:

Trojan:MSIL/CryptInject.SC!MTB (Microsoft); a variant of MSIL/Kryptik.VPK trojan (NOD32); Trojan.MSIL.Crypt (Ikarus)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 258,048 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2020年4月27日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %AppDataLocal%\{malware filename}

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • {path}
  • vssadmin delete shadows /all /quiet
  • wmic shadowcopy delete
  • "%System%\cmd.exe"
  • bcdedit /set {default} bootstatuspolicy ignoreallfailures
  • bcdedit /set {default} recoveryenabled no
  • wbadmin delete catalog -quiet

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{malware filename} = "%AppDataLocal%\{malware filename}"

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{malware filename} = "%AppDataLocal%\{malware filename}"

マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<Common Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %Common Startup%\{malware filename}.exe

(註:%Common Startup%フォルダは、すべてのユーザのスタートアップフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users\Start Menu\Programs\Startup" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .id[{random characters}].[h{BLOCKED}ver@{BLOCKED}ail.com].help


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.840.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年5月1日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.841.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年5月2日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF035

手順 2

Windows XP、Windows Vista 、Windows 7、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {malware filename} = "%AppDataLocal%\{malware filename}"
  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {malware filename} = "%AppDataLocal%\{malware filename}"

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %AppDataLocal%\{malware filename}
  • %Common Startup%\{malware filename}.exe

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.MSIL.PHOBOS.B」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください