Trend Micro Security

Ransom.MSIL.FUNICORN.A

2020年6月9日
 解析者: Joshua John Bantayan   

 別名:

Ransom:MSIL/Ryzerlo.A (MICROSOFT); HEUR:Trojan-Ransom.MSIL.Encoder.gen (KASPERSKY)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

特定のフォルダ内のファイルを暗号化します。 身代金要求文書のファイルを作成します。


  詳細

ファイルサイズ 978,432 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2020年6月1日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの暗号化, 情報収集, メッセージボックスの表示, 画像の表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System Root%\{user name}\Rand123\local.exe

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System Root%\{user name}\ransom.jpg

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = %System Root%\{user name}\ransom.jpg

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Computer name
  • User name

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.210.127/write.php

マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。

  • .001
  • .7-zip
  • .ace
  • .apk
  • .arj
  • .asp
  • .aspx
  • .avi
  • .bmp
  • .bz2
  • .c
  • .cab
  • .contact
  • .core
  • .cpp
  • .crproj
  • .cs
  • .csv
  • .dat
  • .db
  • .dll
  • .doc
  • .docx
  • .dwg
  • .exe
  • .f3d
  • .gzip
  • .htm
  • .html
  • .ico
  • .iso
  • .jar
  • .jpg
  • .lnk
  • .lzh
  • .mdb
  • .mkv
  • .mov
  • .mp3
  • .mp3
  • .mp4
  • .mpeg
  • .mpg
  • .odt
  • .pas
  • .pdb
  • .pdf
  • .php
  • .png
  • .ppt
  • .pptx
  • .psd
  • .py
  • .rar
  • .rtf
  • .settings
  • .sln
  • .sql
  • .tar
  • .torrent
  • .txt
  • .uue
  • .xls
  • .xlsx
  • .xml
  • .xz
  • .z
  • .zip

マルウェアは、以下を実行します。

  • After its encryption routine, it will display a GUI:
  • It will also change the desktop wallapaper:

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下のディレクトリ内で確認されたファイルを暗号化します。

  • C:\Users\{User name}\Desktop
  • C:\Users\{User name}\Links
  • C:\Users\{User name}\Contacts
  • C:\Users\{User name}\Desktop
  • C:\Users\{User name}\Documents
  • C:\Users\{User name}\Downloads
  • C:\Users\{User name}\Pictures
  • C:\Users\{User name}\Music
  • C:\Users\{User name}\OneDrive
  • C:\Users\{User name}\Saved Games
  • C:\Users\{User name}\Favorites
  • C:\Users\{User name}\Searches
  • C:\Users\{User name}\Videos

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %Desktop%\READ_IT.txt


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.918.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年6月8日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.919.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年6月9日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF035

手順 2

Windows XP、Windows Vista 、Windows 7、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

「Ransom.MSIL.FUNICORN.A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
    • From: Wallpaper = %System Root%\{user name}\ransom.jpg
      To: Wallpaper = {your wallpaper}

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\{user name}\Rand123\local.exe
  • %Desktop%\READ_IT.txt
  • %System Root%\{user name}\ransom.jpg

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.MSIL.FUNICORN.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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