Trend Micro Security

Ransom.MSIL.CYBORG.AA

2020年5月20日
 解析者: Karen Ivy Titiwa   

 別名:

Ransom:Win32/Genasom!MTB (MICROSOFT); HEUR:Trojan-Ransom.MSIL.Gen.gen (KASPERSKY)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

特定のファイル拡張子を持つファイルを暗号化します。 身代金要求文書のファイルを作成します。


  詳細

ファイルサイズ 1,083,392 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2020年4月25日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの暗号化, 画像の表示, ウインドウの表示, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %ProgramData%\Microsoft\Network\Connections\Cm\NyanCat

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • {Drive Letter}\bot.exe → detected as Ransom.MSIL.CYBORG.SMTH
  • {Drive Letter}\autorun.inf → automatically executes .\bot.exe

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\tmp{4-random-characters}.tmp.exe → detected as Ransom.MSIL.CYBORG.SMTH
  • %Temp%\{8-random-characters}.inf → contains command for executing %User Temp%\tmp{4-random-characters}.tmp.exe

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Temp%フォルダは、一時的にファイルが保存されるフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Windows\Temp" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\cmstp.exe /au %Temp%\{8-random-characters}.inf
  • %Program Files%\Internet Explorer\iexplore.exe -nohome

(註:%Temp%フォルダは、一時的にファイルが保存されるフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Windows\Temp" です。.. %Program Files%フォルダは、デフォルトのプログラムファイルフォルダです。C:\Program Files in Windows 2000(32-bit)、Server 2003(32-bit)、XP、Vista(64-bit)、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Program Files"です。また、Windows XP(64-bit)、Vista(64-bit)、7(64-bit)、8(64-bit)、8.1(64-bit)、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Program Files(x86)" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WallpaperStyle = 2

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
TileWallpaper = 0

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
Wallpaper = "{Malware Directory}\Cyborg_DECRYPT.jpg"

マルウェアは、コンピュータのデスクトップの壁紙に以下の画像を設定します。

  • {Malware Directory}\Cyborg_DECRYPT.jpg

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\ShortCutInfection
{Malware Filename}.{Malware Filename} = "True"

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • https://{BLOCKED}o.co/2f8nx5

マルウェアは、以下を実行します。

  • It displays the following user interface once executed:

ランサムウェアの不正活動

以下の拡張子を持つファイルを暗号化します:$$ DATA $$

  • .txt
  • .doc
  • .docx
  • .mp3
  • .xls
  • .xlsx
  • .ppt
  • .sql
  • .wmv
  • .mp4
  • .iso
  • .dll
  • .jar
  • .pptx
  • .odt
  • .jpg
  • .tar
  • .gz
  • .bmp
  • .pbm
  • .rtf
  • .png
  • .csv
  • .mdb
  • .sln
  • .phpavi
  • .mov
  • .flv
  • .amv
  • .mpv
  • .mtv
  • .asp
  • .aspx
  • .html
  • .xml
  • .psd
  • .pdf
  • .exe
  • .rv
  • .rvx
  • .ved
  • .wm
  • .rar
  • .xwmv
  • .wma
  • .midi
  • .fla
  • .ico
  • .gif
  • .ogg
  • .mpg
  • .icns
  • .zip
  • .BAT
  • .c
  • .7z
  • .EXEsql
  • .m4a
  • .avi
  • .d3dbsp
  • .sie
  • .sum
  • .ibank
  • .t13
  • .t12
  • .qdf
  • .gdb
  • .tax
  • .pkpass
  • .bc6
  • .bc7
  • .bkp
  • .qic
  • .bkf
  • .sidn
  • .sidd
  • .mddata
  • .itl
  • .itdb
  • .icxs
  • .hvpl
  • .hplg
  • .hkdb
  • .mdbackup
  • .syncdb
  • .gho
  • .cas
  • .svg
  • .map
  • .wmo
  • .itm
  • .sb
  • .fos
  • .vdf
  • .ztmp
  • .sis
  • .sid
  • .ncf
  • .menu
  • .layout
  • .dmp
  • .blob
  • .esm
  • .vcf
  • .vtf
  • .dazip
  • .fpk
  • .mlx
  • .kf
  • .iwd
  • .vpk
  • .tor
  • .psk
  • .rim
  • .w3x
  • .fsh
  • .ntl
  • .arch00
  • .lvl
  • .snx
  • .cfr
  • .ff
  • .vpp_pc
  • .lrf
  • .m2
  • .mcmeta
  • .vfs0
  • .mpqge
  • .kdb
  • .db0
  • .dba
  • .rofl
  • .hkx
  • .bar
  • .upk
  • .das
  • .iwi
  • .litemod
  • .asset
  • .forge
  • .ltx
  • .bsa
  • .apk
  • .re4
  • .sav
  • .lbf
  • .slm
  • .bik
  • .epk
  • .rgss3a
  • .pak
  • .bigwallet
  • .wotreplay
  • .xxx
  • .desc
  • .py
  • .m3u
  • .js
  • .css
  • .rb
  • .jpeg
  • .p7c
  • .p7b
  • .p12
  • .pfx
  • .pem
  • .crt
  • .cer
  • .der
  • .x3f
  • .srw
  • .pef
  • .ptx
  • .r3d
  • .rw2
  • .rwl
  • .raw
  • .raf
  • .orf
  • .nrw
  • .mrwref
  • .mef
  • .erf
  • .kdc
  • .dcr
  • .cr2
  • .crw
  • .bay
  • .sr2
  • .srf
  • .arw
  • .3fr
  • .dng
  • .jpe
  • .cdr
  • .indd
  • .ai
  • .eps
  • .pdd
  • .dbf
  • .mdf
  • .wb2
  • .wpd
  • .dxg
  • .xf
  • .dwg
  • .pst
  • .accdb
  • .pptm
  • .xlk
  • .xlsb
  • .xlsm
  • .wps
  • .docm
  • .odb
  • .odc
  • .odm
  • .odp
  • .ods

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .petya

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %Desktop%\Cyborg_DECRYPT.txt
  • %User Profile%\Music\Cyborg_DECRYPT.txt
  • %User Profile%\Pictures\Cyborg_DECRYPT.txt


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.870.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年5月15日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.871.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年5月16日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF034

手順 2

Windows XP、Windows Vista 、Windows 7、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\ShortCutInfection
    • {Malware Filename}.{Malware Filename} = "True"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
    • WallpaperStyle = 2
  • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
    • TileWallpaper = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
    • Wallpaper = "%{Malware Directory}%\Cyborg_DECRYPT.jpg"

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Drive Letter}\bot.exe
  • {Drive Letter}\autorun.inf
  • %User Temp%\tmp{4-random-characters}.tmp.exe
  • %Temp%\{8-random-characters}.inf
  • {Malware Directory}\Cyborg_DECRYPT.jpg
  • %Desktop%\Cyborg_DECRYPT.txt
  • %User Profile%\Music\Cyborg_DECRYPT.txt
  • %User Profile%\Pictures\Cyborg_DECRYPT.txt

手順 8

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  %ProgramData%\Microsoft\Network\Connections\Cm\NyanCat

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.MSIL.CYBORG.AA」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。

手順 11

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.MSIL.CYBORG.AA」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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