Trend Micro Security

Ransom.MSIL.CRYPTEAR.A

2019年7月24日
 解析者: John Anthony Banes   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 120,320 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2019年7月23日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ウインドウの表示, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、異なるファイル名を用いて以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • %System Root%\{username}\Systems\local.exe

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %System Root%\{username}\Systems
  • %System Root%\{username}

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Systems = "%System Root%\{username}\Decrypter.exe"

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正なファイルをダウンロードして実行します。

  • http://{BLOCKED}agy.ru/Decrypter.exe
  • http://{BLOCKED}agy.ru/ransom.jpg

マルウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %Desktop%\Decrypter.exe - Ransomware Decrypt screen
  • %System Root%\{username}\ransom.jpg - Wallpaper
  • %System Root%\{username}\Decrypter.exe - Ransomware Decrypt screen

(註:%Desktop%フォルダは、現在ログオンしているユーザのデスクトップです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • https://maper.info/XGnV6

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}agy.ru/write.php?computer_name={computer name}&userName={username}&password={15 random characters}&allow=ransom

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、以下の文字列を含むファイルを暗号化します。

  • .001
  • .7-zip
  • .ace
  • .apk
  • .arj
  • .asp
  • .aspx
  • .avi
  • .bmp
  • .bz2
  • .c
  • .cab
  • .contact
  • .core
  • .cpp
  • .crproj
  • .cs
  • .csv
  • .dat
  • .db
  • .dll
  • .doc
  • .docx
  • .dwg
  • .exe
  • .f3d
  • .gzip
  • .htm
  • .html
  • .ico
  • .iso
  • .jar
  • .jpg
  • .lnk
  • .lzh
  • .mdb
  • .mkv
  • .mov
  • .mp3
  • .mp3
  • .mp4
  • .mpeg
  • .mpg
  • .odt
  • .pas
  • .pdb
  • .pdf
  • .php
  • .png
  • .ppt
  • .pptx
  • .psd
  • .py
  • .rar
  • .rtf
  • .settings
  • .sln
  • .sql
  • .tar
  • .torrent
  • .txt
  • .uue
  • .xls
  • .xlsx
  • .xml
  • .xz
  • .z
  • .zip

マルウェアは、以下の名称を利用して暗号化されたファイルのファイル名を改称します。

  • {encrypted file}.Pox

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %Desktop%\HOW TO DECRYPT FILES.txt

(註:%Desktop%フォルダは、現在ログオンしているユーザのデスクトップです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。)

マルウェアは、以下の内容を含む脅迫状のテキストファイルを残します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
VSAPI OPR パターンバージョン 15.251.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年7月24日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「Ransom.MSIL.CRYPTEAR.A」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
  • Systems = "%System Root%\{username}\Decrypter.exe"

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %System Root%\{username}
  • %System Root%\{username}\Systems

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Desktop%\Decrypter.exe
  • %Desktop%\HOW TO DECRYPT FILES.txt
  • %System Root%\{username}\ransom.jpg
  • %System Root%\{username}\Decrypter.exe

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.MSIL.CRYPTEAR.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

デスクトッププロパティを修正します。

[ 詳細 ]


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