Trend Micro Security

PE_AGATDUL.A-O

2012年10月9日
 解析者: Roland Marco Dela Paz   

 別名:

W32.Fujacks.E (Symantec); Virus:Win32/Fujacks.M (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ファイル感染型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ウイルスは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

ファイルサイズ 101,088 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2009年1月7日

侵入方法

ウイルスは、ネットワーク共有フォルダを経由してコンピュータに侵入します。

ウイルスは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ウイルスは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %System Root%\z1.tmp - detected as TROJ_ROOTER.AACZ

(註:%System Root%は、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

ウイルスは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\drivers\TXPlatform.exe

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

ウイルスは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %System Root%\GK.TMP

(註:%System Root%は、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

自動実行方法

ウイルスは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Explorer = "%System%\drivers\TXPlatform.exe"

他のシステム変更

ウイルスは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CLASSES_ROOT\HTTP\shell\
open\command
@ = ""%Program Files%\InternetExplorer\iexplore.exe" -nohome"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"%Program Files%\Internet Explorer\iexplore.exe" -nohome」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoDriveTypeAutoRun = "80"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「91」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\Hidden\
SHOWALL
CheckedValue = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

感染活動

ウイルスは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • [DRIVE]:\¡¡¡¡¡¡.exe

ウイルスは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[autorun]
OPEN=¡¡¡¡¡¡.exe
shell\open={garbage code}
shell\open\Command=¡¡¡¡¡¡.exe
shell\open\Default=1
shell\explore={garbage code}
shell\explore\Command=¡¡¡¡¡¡.exe

その他

ウイルスは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://www.{BLOCKED}gou.com/goto/down.txt
  • http://www.{BLOCKED}s.com/TJ.Htm

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ウイルスは、共有フォルダ内で確認したすべての実行ファイルに感染します。このウイルスが感染したファイルは、「PE_AGATDUL.A」として検出されます。

ウイルスは、確認した共有フォルダに以下のファイルを作成し、自身の感染の証とします。

  • Desktop_1.ini

ウイルスは、以下のIFEOレジストリを作成し、特定のアプリケーションを無効にします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options
Debugger = "ntsd -d"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\{application name}
Debugger = "ntsd -d"

上記の{application name}の部分は、 以下のいずれかとなります。

  • 360hotfix.exe
  • 360rpt.exe
  • 360safe.exe
  • 360safebox.exe
  • 360tray.exe
  • Debugger
  • SetupLD.exe
  • agentsvr.exe
  • apvxdwin.exe
  • ast.exe
  • avcenter.exe
  • avengine.exe
  • avgnt.exe
  • avguard.exe
  • avltmain.exe
  • avp.exe
  • avp32.exe
  • avtask.exe
  • bdagent.exe
  • bdwizreg.exe
  • boxmod.exe
  • ccapp.exe
  • ccenter.exe
  • ccevtmgr.exe
  • ccregvfy.exe
  • ccsetmgr.exe
  • egui.exe
  • ekrn.exe
  • extdb.exe
  • frameworkservice.exe
  • frwstub.exe
  • guardfield.exe
  • iparmor.exe
  • kaccore.exe
  • kasmain.exe
  • kav32.exe
  • kavstart.exe
  • kavsvc.exe
  • kavsvcui.exe
  • kislnchr.exe
  • kissvc.exe
  • kmailmon.exe
  • knownsvr.exe
  • kpfw32.exe
  • kpfwsvc.exe
  • kregex.exe
  • kvfw.exe
  • kvmonxp.exe
  • kvmonxp.kxp
  • kvol.exe
  • kvprescan.exe
  • kvsrvxp.exe
  • kvwsc.exe
  • kvxp.kxp
  • kwatch.exe
  • livesrv.exe
  • makereport.exe
  • mcagent.exe
  • mcdash.exe
  • mcdetect.exe
  • mcshield.exe
  • mctskshd.exe
  • mcvsescn.exe
  • mcvsshld.exe
  • mghtml.exe
  • naprdmgr.exe
  • navapsvc.exe
  • navapw32.exe
  • navw32.exe
  • nmain.exe
  • nod32.exe
  • nod32krn.exe
  • nod32kui.exe
  • npfmntor.exe
  • oasclnt.exe
  • pavsrv51.exe
  • pfw.exe
  • psctrls.exe
  • psimreal.exe
  • psimsvc.exe
  • qqdoctormain.exe
  • ras.exe
  • ravmon.exe
  • ravmond.exe
  • ravstub.exe
  • ravtask.exe
  • rfwcfg.exe
  • rfwmain.exe
  • rfwproxy.exe
  • rfwsrv.exe
  • rsagent.exe
  • rsmain.exe
  • rsnetsvr.exe
  • rssafety.exe
  • rstray.exe
  • safebank.exe
  • safeboxtray.exe
  • scan32.exe
  • scanfrm.exe
  • sched.exe
  • seccenter.exe
  • secnotifier.exe
  • shstat.exe
  • smartup.exe
  • sndsrvc.exe
  • spbbcsvc.exe
  • symlcsvc.exe
  • tbmon.exe
  • uihost.exe
  • ulibcfg.exe
  • updaterui.exe
  • uplive.exe
  • vcr32.exe
  • vcrmon.exe
  • vptray.exe
  • vsserv.exe
  • vstskmgr.exe
  • webproxy.exe
  • xcommsvr.exe
  • xnlscn.exe


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI OPR パターンバージョン 5.755.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2009年1月7日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「PE_AGATDUL.A-O」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

     PE_AGATDUL.A
    TROJ_ROOTER.AACZ

手順 3

「PE_AGATDUL.A-O」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは Process Explorer に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\GK.TMP
  • [Shared folder]\Desktop_1.ini

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Explorer = "%System%\drivers\TXPlatform.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options
    • Debugger = "ntsd -d"

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options
    • {application name}

手順 7

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT\HTTP\shell\open\command
    • From: @ = ""%Program Files%\InternetExplorer\iexplore.exe" -nohome"
      To: @ = ""%Program Files%\Internet Explorer\iexplore.exe" -nohome"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • From: NoDriveTypeAutoRun = "80"
      To: NoDriveTypeAutoRun = "91"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced\Folder\Hidden\SHOWALL
    • From: CheckedValue = "0"
      To: CheckedValue = "1"

手順 8

「PE_AGATDUL.A-O」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[autorun]
OPEN=¡¡¡¡¡¡.exe
shell\open={garbage code}
shell\open\Command=¡¡¡¡¡¡.exe
shell\open\Default=1
shell\explore={garbage code}
shell\explore\Command=¡¡¡¡¡¡.exe

手順 9

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「PE_AGATDUL.A-O」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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