Trend Micro Security

BKDR_TDSS.SIP

2012年10月8日
 解析者: Cris Nowell Pantanilla   
 更新者 : Karl Dominguez

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年10月29日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %WINDOWS%\Temp\{random}.sys

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\{random}
  • %System%\spool\prtprocs\w32x86\{random}.dll

(註:%User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。. %System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、以下のプロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

  • SVCHOST.EXE
  • SPOOLSV.EXE

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Session Manager
PendingFileRenameOperations = %System%\spool\PRTPROCS\W32X86\{random}.dll %User Temp%\{random}

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Tcpip\Parameters
NameServer = {BLOCKED}.{BLOCKED}.164.129,93.188.160.209

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{blank}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Tcpip\Parameters
DhcpNameServer = {BLOCKED}.{BLOCKED}.164.129,93.188.160.209

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{User defined}」となります。)

バックドア活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.51.17/db.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.51.17/dbcjs.php
  • http://{BLOCKED}mah.com/dx.php - detected as BKDR_ZLOB.SMGS
  • http://{BLOCKED}mah.com/kx.php - also detected as BKDR_TDSS.SIP

HOSTSファイルの改変

マルウェアは、コンピュータのHOSTSファイルを改変します。これにより、ユーザは、以下のWebサイトにアクセスすると、別のWebサイトに誘導されます。

  • www.google.com
  • us.search.yahoo.com
  • uk.search.yahoo.com
  • search.yahoo.com
  • www.google.com.br
  • www.google.it
  • www.google.es
  • www.google.co.jp
  • www.google.com.mx
  • www.google.ca
  • www.google.com.au
  • www.google.nl
  • www.google.co.za
  • www.google.be
  • www.google.gr
  • www.google at
  • www.google.se
  • www.google.ch
  • www.google.pt
  • www.google.dk
  • www.google.fi
  • www.google.ie
  • www.google.no
  • www.google.de
  • www.google.fr
  • www.google.co.uk
  • www.bing.com


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI パターンファイル: 7.580.02
VSAPI パターンリリース日: 2010年10月29日
VSAPI パターンリリース日: 10/29/2010 12:00:00 AM

手順 1

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_TDSS.SIP」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 2

この「BKDR_TDSS.SIP」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

     BKDR_ZLOB.SMGS 

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager
    • PendingFileRenameOperations=%System%\spool\PRTPROCS\W32X86\{random}.dll %User Temp%\{random}

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
    • From: NameServer={BLOCKED}.{BLOCKED}.164.129,93.188.160.209
      To: NameServer=
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
    • From: DhcpNameServer={BLOCKED}.{BLOCKED}.164.129,93.188.160.209
      To: DhcpNameServer={User defined}

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 %System%\spool\prtprocs\w32x86\{random}.dll
%Windows%\Temp\{random}.sys

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_TDSS.SIP」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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