Trend Micro Security

BKDR_SIMBOT.TRWR

2014年11月15日
 解析者: Anthony Joe Melgarejo   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェアは、仮想環境内で実行されると、自身の活動を終了します。


  詳細

ファイルサイズ 144,896 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年10月20日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Windows%\msplugin.ps

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 78@WMIRCOM

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service
Type = "10"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service
ErrorControl = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service
ImagePath = "{malware path and file name} -k"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service
DisplayName = "Device Enumerator Service"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service
Description = "Enables applications to transfer and synchronize content using removable mass-storage devices."

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service\Security

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Device Enumerator Service\Enum

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\svchost
BinData = "{encrypted C&Cs}"

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download and execute arbitrary files - saved as %User Temp%\svc{random number}.tmp or %User Temp%\sae{random number}.tmp

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}ds.de/cart/adm/in.php
  • http://www.{BLOCKED}ng.de/a_inc/bbs/read_comment_update.php
  • http://www.{BLOCKED}c.org/intraweb/mantisbt/admin/install_db.php
  • http://www.{BLOCKED}e.ac.jp/modalfiles/opinion.php
  • http://www.{BLOCKED}g.de/backup/includes/domit/don_xmlrpc_client.php
  • http://www.{BLOCKED}neksda.com.au/modules/board/conf/module.php

ただし、情報公開日現在、このサーバには接続できません。

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Network Adapter information
  • Operating System version
  • System time
  • Computer name

その他

マルウェアは、仮想環境内で実行されると、自身の活動を終了します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • Device Enumerator Service

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\AppDataLow\Software\Microsoft\svchost
    • BinData = "{encrypted C&Cs}"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Windows%\msplugin.ps
  • %User Temp%\svc{random number}.tmp
  • %User Temp%\sae{random number}.tmp

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_SIMBOT.TRWR」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_SIMBOT.TRWR」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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