Trend Micro Security

BKDR_SHOTODOR.VH

2015年3月16日
 解析者: Rommel Abraham Joven   

 別名:

TrojanSpy:MSIL/Golroted.B (Microsoft); Trojan.Blueso (Symantec); Trojan-Dropper.Win32.SFX.jt (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。これにより、通常はタスクマネージャを介して行うマルウェアのプロセスの終了が実行できなくなります。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 1,231,823 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年2月10日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Profile%\{random folder name 1}\wdsrvqxx
  • %User Profile%\{random folder name 1}\uzklce.TNQ
  • %User Profile%\{random folder name 1}\swqtcntxrk.XIM
  • %Application Data%\pid.txt
  • %Application Data%\pidloc.txt
  • %User Temp%\screens\screenshot{number}.jpeg

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.. %Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Profile%\{random folder name 1}\hotlss.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Profile%\{random folder name 1}
  • %User Temp%\screens

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.. %User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • RegSvcs.exe (v2.0.50727)
  • RegAsm.exe (v2.0.50727)
  • AppLaunch.exe (v2.0.50727)
  • RegSvcs.exe (v4.0.30319)
  • RegAsm.exe (v4.0.30319)
  • AppLaunch.exe (v4.0.30319)
  • twunk_32.exe
  • newdev.exe
  • ndadmin.exe

自動実行方法

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Profile%\{random folder name 1}\ftprvuzx.cmd - batch file to execute the malware script
  • %User Profile%\{random folder name 1}\yvrmcxfibuhla.vbs - vbscript file to execute the dropped batch file
  • %User Profile%\{random folder name 1}\run.vbs

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.)

マルウェアは、作成されたコンポーネントがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKCU\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
%User Profile%\{random folder name 1} = "%User Profile%\{random folder name 1}\yvrmcxfibuhla.vbs"

マルウェアは、<User Startup>フォルダ内に、自身のコピーに誘導する以下のショートカットを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーが自動実行されます。

  • %Start Menu%\start.lnk

(註:%Start Menu%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Windows\Start Menu" または "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE64\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
EnableLUA = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、隠しファイル属性のファイルを非表示にします。

HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoFolderOptions = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Delete all registry entries in:
    • HKCU64\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • HKLM64\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
  • Log Keystrokes
  • Download File
  • Open Process
  • Manipulate the following to send messages:
    • Skype
    • Facebook
    • Steam
    • Omegle
    • RuneScape

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • malware process id
  • malware path
  • hostname
  • Screenshots
  • Keyboard Strokes
  • Clipboard Data
  • System Time
  • Internal Language
  • Operating System
  • Internal IP
  • External IP
  • AntiVirus Installed
  • Firewall Installed
  • Current Active Window

マルウェアは、保存されている以下のEメール認証情報を収集します。

  • Outlook Express
  • Incredimail
  • Eudora
  • Microsoft Outlook
  • Gmail
  • Hotmail
  • MSN
  • Yahoomail
  • Netscapemail
  • Thunderbird
  • GoogleDesktop
  • WindowsMail
  • WindowsLivemail
  • Minecraft
  • JDownloader

マルウェアは、以下のブラウザから、ユーザ名、パスワードやホスト名といった保存された情報を収集します。

  • Internet Explorer
  • Firefox
  • Chrome
  • Opera
  • Safari
  • SeaMonkey

情報収集

マルウェアは、SMTPを用いて、自身が収集した情報を以下のEメールアドレスに送信します。

  • {BLOCKED}orlogzzz@{BLOCKED}il.com

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • whatismyipaddress.com


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.474.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年2月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.475.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年2月13日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • %User Profile%\{random folder name 1} = "%User Profile%\{random folder name 1}\yvrmcxfibuhla.vbs"

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE64\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • From: EnableLUA = "0"
      To: EnableLUA = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • From: DisableTaskMgr = "1"
      To: DisableTaskMgr = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • From: NoFolderOptions = "1 "
      To: NoFolderOptions = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER64\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden =  "0 "
      To: ShowSuperHidden = 1

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\pid.txt
  • %Application Data%\pidloc.txt

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Profile%\{random folder name 1}
  • %User Temp%\screens

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_SHOTODOR.VH」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください