Trend Micro Security

BKDR_QAKBOT.NM

2017年5月25日
 解析者: Cris Nowell Pantanilla   

 別名:

Backdoor.Win32.QBot.qsj (Kaspersky), Backdoor:Win32/Qakbot.T (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ネットワーク共有フォルダを介して感染活動をします。その際、利用可能なネットワーク共有フォルダ内に自身のコピーを作成します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。 マルウェアは、特定の文字列を含むセキュリティ対策関連Webサイトが閲覧できないようにします。 マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 450,560 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2017年5月24日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\Microsoft\{random folder}\{random file name}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %Application Data%\Microsoft\{random folder}\{random file name}.dat ← encrypted component

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\Microsoft\{random folder}

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random name} = %Application Data%\Microsoft\{random folder name}\{random file name}.exe"

感染活動

マルウェアは、ネットワーク共有フォルダを介して感染活動をします。その際、利用可能なネットワーク共有フォルダ内に自身のコピーを作成します。

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • windbg.exe
  • ChromeUpdate.exe
  • msdev.exe
  • dbgview.exe
  • ollydbg.exe
  • ctfmon.exe
  • Proxifier.exe
  • nav.exe

情報漏えい

マルウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。マルウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。

  • .hsbcnet.com
  • .web-access.com
  • .webcashmgmt.com
  • /achupload
  • /cashman/
  • /cashplus/
  • /clkccm/
  • /cmserver/
  • /corpach/
  • /ibws/
  • /payments/ach
  • /stbcorp/
  • /wcmpr/
  • /wcmpw/
  • /wcmtr/
  • /wires/
  • /wiret
  • access.jpmorgan.com
  • accessonline.abnamro.com
  • achbatchlisting
  • bankeft.com
  • blilk.com
  • business-eb.ibanking-services.com
  • businessaccess.citibank.citigroup.com
  • businessbankingcenter.synovus.com
  • businessinternetbanking.synovus.com
  • businessonline.huntington.com
  • businessonline.tdbank.com
  • cashmanageronline.bbt.com
  • cashproonline.bankofamerica.com
  • cbs.firstcitizensonline.com
  • chsec.wellsfargo.com
  • cmol.bbt.com
  • cmoltp.bbt.com
  • commercial.bnc.ca
  • commercial.wachovia.com
  • commercial2.wachovia.com
  • commercial3.wachovia.com
  • commercial4.wachovia.com
  • corporatebanking
  • cpw-achweb.bankofamerica.com
  • ctm.53.com
  • directline4biz.com
  • directpay.wellsfargo.com
  • e-facts.org
  • e-moneyger.com
  • each.bremer.com
  • ebanking-services.com
  • express.53.com
  • firstmeritib.com
  • firstmeritib.com/defaultcorp.aspx
  • goldleafach.com
  • iachwellsprod.wellsfargo.com
  • ibc.klikbca.com
  • intellix.capitalonebank.com
  • iris.sovereignbank.com
  • itreasury.regions.com
  • itreasurypr.regions.com
  • jsp/mainWeb.jsp
  • ktt.key.com
  • moneymanagergps.com
  • netconnect.bokf.com
  • nj00-wcm
  • ocm.suntrust.com
  • onlineserv/CM
  • otm.suntrust.com
  • paylinks.cunet.org
  • premierview.membersunited.org
  • providentnjolb.com
  • schwabinstitutional.com
  • scotiaconnect.scotiabank.com
  • securentrycorp.amegybank.com
  • securentrycorp.zionsbank.com
  • singlepoint.usbank.com
  • svbconnect.com
  • tcfexpressbusiness.com
  • tdetreasury.tdbank.com
  • tmcb.zionsbank.com
  • tmconnectweb
  • treas-mgt.frostbank.com
  • treasury.pncbank.com
  • trz.tranzact.org
  • tssportal.jpmorgan.com
  • wc.wachovia.com
  • wcp.wachovia.com
  • web-cashplus.com
  • webexpress.tdbank.com
  • wellsoffice.wellsfargo.com

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • GeoIP locations
  • Browser cookies
  • Flash cookies
  • Network information
  • System information
  • FTP, POP3, IMAP, SMTP, HTTPMail, NNTP Passwords
  • Outlook login credentials
  • Private keys from system certificates
  • Login credentials for certain websites
  • Internet sessions

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • cnn.com
  • microsoft.com
  • baidu.com
  • facebook.com
  • yahoo.com
  • wikipedia.org
  • qq.com
  • linkedin.com
  • mail.ru

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • {generated domain}.(com|net|org|info|biz|org)

マルウェアは、以下の文字列を含むセキュリティ対策関連Webサイトが閲覧できないようにします。

  • siteadvisor.com
  • avgthreatlabs.com
  • safeweb.norton.com

マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.368.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2017年4月28日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.369.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2017年4月29日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random name} = "%Application Data%\Microsoft\{random folder name}\{random file name}.exe"

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\Microsoft\{random folder}

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_QAKBOT.NM」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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