Trend Micro Security

BKDR_PROTUX.SMZKEB-G

2018年2月6日
 解析者: Johnlery Triunfante   

 別名:

Trojan.Win32.Agentb.iwti (Kaspersky); Gen:Variant.Zusy.264505 (BitDefender); W32/Generic.AC.3EF98C!tr (Fortinet)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要


トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 89,600 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2017年12月5日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\{malware name}.exe
  • %Windows%\LINKINFO.dll
  • %User Temp%\cnagnt.dll
  • %User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp → temporary DLL
  • %User Temp%\RCX{Random hex value}.tmp → temporary DLL
  • %Application Data%\cnagnt.dll

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.. %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\1.txt → Contains the malware's process information. Deleted afterwards.
  • %User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp.vbs
  • {Malware path}\q.bat → Uninstall itself. Deleted afterwards.

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • tmutexabc

自動実行方法

マルウェアは、作成されたコンポーネントがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Conime = "%System%\rundll32" "%User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp",Sd

マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<スタートアップ>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\Conime.lnk
  • %User Startup%\Conime.exe

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
WaitToKillAppTimeout = 1000

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Upload victim information.
  • Execute a batch script, executable file or DLL file.

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://www.bing.com/

<補足>
インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\cnagnt.dll
  • %User Temp%\{マルウェア名}.exe
  • %Windows%\LINKINFO.dll
  • %User Temp%\cnagnt.dll
  • %User Temp%\ppa{ランダムな16進数の値}.tmp → 一時DLLファイル
  • %User Temp%\RCX{ランダムな16進数の値}.tmp → 一時DLLファイル

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\1.txt → マルウェアのプロセス情報が含まれるファイル。後に削除される
  • %User Temp%\ppa{ランダムな16進数の値}.tmp.vbs
  • {マルウェアのパス}\q.bat → 自身をアンインストールするファイル。後に削除される

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • ユーザ情報をアップロードする
  • バッチスクリプト、実行可能ファイルまたはDLLファイルを実行する

その他

マルウェアは以下を実行します。

  • 以下のセキュリティ対策製品の存在を確認します。
    • norton
    • synmantec
    • trend micro
    • kaspersky
    • avira
    • avg
  • 以下のセキュリティ対策製品に関連したプロセスの存在を確認します。
    • uiseagnt.exe
    • v3ltray.exe
    • ayagent.aye
    • avp.exe
    • avgnt.exe
    • ccsvchst.exe
    • pccntmon.exe
    • cntaosmgr.exe
    • klnagent.exe
    • avg
  • 上記のセキュリティ対策製品および関連プロセスが確認された場合、
    • %User Temp%ディレクトリにデフォルトのエクスポート 'Dm'を持つ一時DLLに自身を変換する
    • 32ビットシステム上で管理者権限で実行された場合、
      • %User Temp%の一時DLLを、%Windows%\ LINKINFO.dllにコピーする
    • そうでない場合、
      • ファイル名に"emp\ low"が含まれる場合には、マルウェアは一時DLLを %User Temp%\cnagnt.dllにコピーする
      • それ以外の場合は、一時DLLを%Application Data%\cnagnt.dllにコピーする
      • %User Temp%の一時DLLを削除する
      • 以下のいずれかへ誘導するショートカットファイル%User Startup%\ Conime.lnkを作成する
        • %System%\rundll32.exe "%Application Data%\cnagnt.dll",Sd
        • %System%\rundll32.exe "%User Temp%\cnagnt.dll",Sd
    • 以下のURLに接続して、コマンド&コントロール(C&C)サーバとポートが含まれるデータをダウンロードします。
      • https://github.com/{BLOCKED}ff
      • http://{BLOCKED}see.tumblr.com:443
        しかし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。
    • マルウェアは、検出を困難にするため、自身のコピーに不要なデータを追加します。
    • %User Temp%で実行されているかどうかを確認します。そうでない場合は、%User Temp%に自身をコピーし、以下のコマンドでコピーを実行します。
      • %User Temp%\ {マルウェア名}.exe"{マルウェアのパス} \{マルウェア名}.exe


      対応方法

    対応検索エンジン: 9.850
    初回 VSAPI パターンバージョン 13.382.08
    初回 VSAPI パターンリリース日 2017年5月4日
    VSAPI OPR パターンバージョン 13.383.00
    VSAPI OPR パターンリリース日 2017年5月5日

    手順 1

    Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 2

    このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

    手順 3

    Windowsをセーフモードで再起動します。

    [ 詳細 ]

    手順 4

    このレジストリ値を削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
      • Conime = "%System%\rundll32" "%User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp",Sd
    • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
      • WaitToKillAppTimeout = 1000

    手順 5

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
    • %Application Data%\cnagnt.dll
    • %User Temp%\{malware name}.exe
    • %Windows%\LINKINFO.dll
    • %User Temp%\cnagnt.dll
    • %User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp
    • %User Temp%\RCX{Random hex value}.tmp
    • %User Temp%\1.txt
    • %User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp.vbs
    • {Malware path}\q.bat
    • %User Startup%\Conime.lnk
    • %User Startup%\Conime.exe
  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に以下のファイル名を入力してください。
       
      • %Application Data%\cnagnt.dll
      • %User Temp%\{malware name}.exe
      • %Windows%\LINKINFO.dll
      • %User Temp%\cnagnt.dll
      • %User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp
      • %User Temp%\RCX{Random hex value}.tmp
      • %User Temp%\1.txt
      • %User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp.vbs
      • {Malware path}\q.bat
      • %User Startup%\Conime.lnk
      • %User Startup%\Conime.exe
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
    4. 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    5. 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。

  • Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

    1. Windowsエクスプローラ画面を開きます。
      • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
        • [スタート]-[コンピューター]を選択します。
      • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
        • 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
    2. [コンピューターの検索]に、以下を入力します。
       
      • %Application Data%\cnagnt.dll
      • %User Temp%\{malware name}.exe
      • %Windows%\LINKINFO.dll
      • %User Temp%\cnagnt.dll
      • %User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp
      • %User Temp%\RCX{Random hex value}.tmp
      • %User Temp%\1.txt
      • %User Temp%\ppa{Random hex value}.tmp.vbs
      • {Malware path}\q.bat
      • %User Startup%\Conime.lnk
      • %User Startup%\Conime.exe
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    4. 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_PROTUX.SMZKEB-G」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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