Trend Micro Security

BKDR_PLUGX.ZTBL-EC

2015年1月19日
 解析者: Sammy Chua   

 別名:

Backdoor:Win32/Kriskynote.A (Microsoft), Backdoor:Win32/Kriskynote.B (Microsoft), Backdoor.Korplug.B (Symantec)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

この「PlugX」の亜種は、改ざんされた正規のオンランゲームで確認されました。これらのゲームは、正式発売されています。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 442,892 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2014年12月31日
ペイロード ファイルの作成, プロセスの強制終了

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\tmp2B.tmp - detected as BKDR_PLUGX.ZTBL-EC, executable image, will be deleted
  • %User Temp%\tmp2C.tmp - will be used to replace the loader and deleted
  • %User Temp%\tmp2D.tmp - detected as BKDR_PLUGX.ZTBL-EC, dll image, will be deleted
  • %Application Data%\dat2E.tmp - will be deleted
  • %Application Data%\dat2F.tmp - will be deleted
  • %Application Data%\dat30.tmp - will be deleted
  • %System%\NtUserEx.dat
  • %System%\NtUserEx.dll

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.. %Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • rundll32.exe
  • svchost.exe

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • created rundll32.exe
  • created svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}
ImagePath = "%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k netsvcs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}
DisplayName = "automaticallydevice"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}
Description = "Monitoring of hardwares and automatically updates the device drivers"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}
Type = "32"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}\Parameters
ServiceDll = "%System%\NtUserEx.dll"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}\Parameters
ServiceMain = sqlite3_aggregate_num

マルウェアは、作成されたコンポーネントをシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}\Parameters

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{service name}

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Copy, move, rename, delete files
  • Create directories
  • Create files
  • Enumerate files
  • Execute files
  • Get drive information
  • Get file information
  • Open and modify files
  • Enumerate TCP and UDP connections
  • Enumerate network resources
  • Set TCP connection state
  • Lock workstation
  • Log off user
  • Restart/Reboot/Shutdown system
  • Display a message box
  • Perfrom port mapping
  • Enumerate processes
  • Get process information
  • Terminate processes
  • Enumerate registry keys
  • Create registry keys
  • Delete registry keys
  • Copy registry keys
  • Enumerate registry entries
  • Modify registry entries
  • Delete registry values
  • Screen capture
  • Delete services
  • Enumerate services
  • Get service information
  • Modify services
  • Start services
  • Perform remote shell
  • Host Telnet server
  • Connect to a database server and execute SQL statement
  • Log keystrokes and active window

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}4.playdr2.tw/update?id={random} - {inaccessible}
  • {BLOCKED}2.playdr2.tw:443/update?id={random}
  • {BLOCKED}3.playdr2.tw:53/update?id={random} - {inaccessible}
  • {BLOCKED}4.playdr2.tw:1080/update?id={random} - {inaccessible}

その他

マルウェアが作成する以下のファイルは、「BKDR_PLUGX.ZTBL-EC」として検出される実行可能なイメージファイルで、後で削除されます。

  • %User Temp%\tmp2B.tmp

マルウェアが作成する以下のファイルは、ローダを交換するために利用され、その後削除されます。

  • %User Temp%\tmp2C.tmp

マルウェアが作成する以下のファイルは、「BKDR_PLUGX.ZTBL-EC」として検出される拡張子DLLのイメージファイルで、その後削除されます。

  • %User Temp%\tmp2D.tmp

マルウェアが作成する以下のファイルは、その後削除されます。

  • %Application Data%\dat2E.tmp
  • %Application Data%\dat2F.tmp
  • %Application Data%\dat30.tmp

マルウェアは、以下の作成されたプロセスにコードを組み込みます。

  • rundll32.exe
  • svchost.exe

マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは、以下のとおりです。

  • ファイルのコピー、移動、名称の変更および削除
  • ディレクトリの作成
  • ファイルの作成
  • ファイルの列挙
  • ファイルの実行
  • ドライブ情報の取得
  • ファイル情報の取得
  • ファイルの開示、変更
  • キー入力操作情報およびアクティブなウインドウの記録
  • TCPおよびUDP接続の列挙
  • ネットワークリソースの列挙
  • TCP接続状態の設定
  • ワークステーションのロック
  • ユーザのログオフ
  • システムの再起動、リブート、およびシャットダウン
  • メッセージボックスの表示
  • ポートマッピングの実行
  • プロセスの列挙
  • プロセス情報の取得
  • プロセスの終了
  • レジストリキーの列挙
  • レジストリキーの作成
  • レジストリキーの削除
  • レジストリキーのコピー
  • レジストリ値の列挙
  • レジストリ値の変更
  • レジストリ値の削除
  • スクリーンキャプチャ
  • サービスの削除
  • サービスの列挙
  • サービス情報の取得
  • サービスの変更
  • サービスの開始
  • リモートシェルの実行
  • Telnetサーバのホスト
  • データベースサーバへの接続とSQLステートメントの実行

""は、レジストリキーの"netsvcs"値を読み込むことで取得されます。 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Svchost.

ローダファイルは、他のファイルを作成後にマルウェアが実行する、改変されクリーンなコピーと交換されます。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 11.406.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年1月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.407.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年1月13日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_PLUGX.ZTBL-EC」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}
    • ImagePath = "%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k netsvcs"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}
    • DisplayName = "automaticallydevice"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}
    • Description = "Monitoring of hardwares and automatically updates the device drivers"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}
    • Start = "2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}
    • Type = "32"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}
    • ObjectName = "LocalSystem"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}\Parameters
    • ServiceDll = "%System%\NtUserEx.dll"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}\Parameters
    • ServiceMain = sqlite3_aggregate_num

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}\Parameters
    • HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\{service name}

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\NtUserEx.dll
  • %System%\NtUserEx.dat

手順 8

BKDR_PLUGX.ZTBL-EC として検出されたファイルを検索し削除します。

註:このファイルは、隠しファイルとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

マルウェアのファイルの手動削除:

  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に上記で確認したファイル名を入力してください。
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
    4. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
      註:ファイル名の入力欄のタイトルは、Windowsのバージョンによって異なります。(例:ファイルやフォルダ名の検索の場合やファイル名のすべてまたは一部での検索)

  • Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

    1. Windowsエクスプローラ画面を開きます。
      • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
        • [スタート]-[コンピューター]を選択します。
      • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
        • 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
    2. [コンピューターの検索]に、上記で確認したファイル名を入力します。
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
  • 手順 9

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_PLUGX.ZTBL-EC」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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