Trend Micro Security

BKDR_PLUGX.ZTBF-A

2014年6月25日
 解析者: Rhena Inocencio   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、2014年6月に台湾の特定の機関を狙った標的型攻撃の一部です。RAT「PlugX」を利用するだけでなくオンラインストレージサービス「Dropbox」も悪用します。マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドの待機および実行のため、Dropboxを用いて自身のC&Cサーバの設定を更新します。このマルウェアに感染したユーザは、コンピュータのセキュリティの侵害に見舞われる可能性があります。

マルウェアは、他のマルウェアのパッケージとともにコンポーネントとしてコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 117,428 bytes
タイプ Other
メモリ常駐 はい
発見日 2014年6月12日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアのパッケージとともにコンポーネントとしてコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %All Users Profile%\DRM\RasTls\RasTls.DLL.msc

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %All Users Profile%\DRM\RasTls.exe - non-malicious file used to load TROJ_PLUGX.ZTBF-A
  • %All Users Profile%\DRM\RasTls.DLL - detected as TROJ_PLUGX.ZTBF-A
  • %All Users Profile%\DRM\RasTls\{random file name}

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %All Users Profile%\DRM

マルウェアは、以下のプロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

  • svchost.exe
  • msiexec.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RasT1s
ImagePath = "%All Users Profile%\DRM\RasTls.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RasT1s
DisplayName = "RasTls"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RasT1s
Description = "RasTls"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RasT1s
ObjectName = "LocalSystem'

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Enum\Root\LEGACY_RAST1S\
0000
Service = "RasT1s"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Enum\Root\LEGACY_RAST1S\
0000
DeviceDesc = "RasTls"

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Enum\Root\LEGACY_RAST1S

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RasT1s

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Manage files, registries, services and directories
  • Log keystrokes and active window
  • Restart/Reboot/Shutdown system
  • Enumerate processes
  • Terminate processes
  • Get drive information
  • Enumerate network resources
  • Set TCP connection state
  • Lock workstation
  • Display a message box
  • Perfrom port mapping
  • Capture screen
  • Perform remote shell

マルウェアが作成する以下の無害なコンポーネントファイルは、「TROJ_PLUGX.ZTBF-A」を読み込むために利用されます。

  • %All Users Profile%\DRM\RasTls.exe

マルウェアが作成する以下ののコンポーネントファイルは、「TROJ_PLUGX.ZTBF-A」として検出されます。

  • %All Users Profile%\DRM\RasTls.DLL

マルウェアが実行するコマンドは、以下のとおりです。

  • ファイル、レジストリ、サービスおよびディレクトリの管理
  • キー入力操作およびアクティブなウィンドウの記録
  • コンピュータの再起動/リブート/シャットダウン
  • プロセスの列挙
  • プロセスの終了
  • ドライブ情報の取得
  • ネットワークリソースの列挙
  • TCP接続状態の設定
  • ワークステーションのロック
  • メッセージボックスの表示
  • ポートマッピングの実行
  • 画面のキャプチャ
  • リモートシェルの実行

マルウェアは、以下のURLへアクセスし、自身のC&Cの設定を取得します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}xusercontent.com/s/0lkgew1wqqw6h13/20140512.txt

情報公開日現在、サーバは、設定ファイルを含んでいません。

マルウェアは、現在の日付が2014年3月5日以降の場合のみ、自身の不正活動を実行します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.856.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年6月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.857.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年6月12日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「BKDR_PLUGX.ZTBF-A」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\Root
    • LEGACY_RAST1S
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • RasT1s

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %All Users Profile%\DRM

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_PLUGX.ZTBF-A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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