Trend Micro Security

BKDR_PLUGX.SFI

2015年8月7日
 解析者: RonJay Kristoffer Caragay   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 57,344 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2015年7月30日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\svchost

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • svchost.exe

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • ioHBGfDyHJIKSJOO
  • Global\{random}

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\emproxy
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\emproxy
ImagePath = "{malware path}\MpCmdRun.exe" ← non-malicious component used to load itself

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\emproxy
DisplayName = "emproxy"

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
emproxy = "{malware path}\MpCmdRun.exe" ← non-malicious component used to load itself

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\emproxy

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Copy, move, rename, delete files
  • Create directories
  • Create files
  • Enumerate files
  • Execute files
  • Get drive information
  • Get file information
  • Open and modify files
  • Log keystrokes and active window
  • Enumerate TCP and UDP connections
  • Enumerate network resources
  • Set TCP connection state
  • Lock workstation
  • Log off user
  • Restart/Reboot/Shutdown system
  • Display a message box
  • Perform port mapping
  • Enumerate processes
  • Get process information
  • Terminate processes
  • Enumerate registry keys
  • Create registry keys
  • Delete registry keys
  • Copy registry keys
  • Enumerate registry entries
  • Modify registry entries
  • Delete registry values
  • Screen capture
  • Delete services
  • Enumerate services
  • Get service information
  • Modify services
  • Start services
  • Perform remote shell
  • Host Telnet server
  • Connect to a database server and execute SQL statement

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://www.{BLOCKED}cbox.{BLOCKED}up.org/{random values}
  • http://www.{BLOCKED}cbox.{BLOCKED}up.org:53/{random values}
  • http://www.{BLOCKED}cbox.{BLOCKED}up.org:443/{random values}

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System Root%\{random file name} → encrypted data

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

その他

マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、以下のコンポーネントが必要になります。

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

マルウェアが作成する以下のファイルは、暗号化されたデータです。

  • %System Root%\{random file name}

マルウェアが自身の不正活動を実行するために必要な以下のコンポーネントは「TROJ_PLUGX.SFI」として検出されます。

  • MpCmdRun.iostream.data89.dYi

マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは以下のとおりです。

  • ファイルのコピーおよび改称、削除
  • ディレクトリの作成
  • ファイルの作成
  • ファイルの列挙
  • ファイルの実行
  • ドライブ情報の取得
  • ファイル情報の取得
  • ファイルの開封および変更
  • キー入力操作情報およびアクティブウインドウの記録
  • TCPおよびUDP接続の列挙
  • ネットワークリソースの列挙
  • TCP接続状態の設定
  • ワークステーションのロック
  • ユーザのログオフ
  • コンピュータの再起動/リブート/シャットダウン
  • メッセージボックスの表示
  • ポートマッピングの実行
  • プロセスの列挙
  • プロセス情報の取得
  • プロセスの終了
  • レジストリキーの列挙
  • レジストリキーの作成
  • レジストリキーの削除
  • レジストリキーのコピー
  • レジストリ値の列挙
  • レジストリ値の変更
  • レジストリ値の削除
  • スクリーンキャプチャ
  • サービスの削除
  • サービスの列挙
  • サービス情報の取得
  • サービスの変更
  • サービスの開始
  • リモートシェルの実行
  • Telnetサーバをホスト
  • データベースサーバへの接続してSQLステートメントを実行

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.822.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年7月30日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.823.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年7月31日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

この「BKDR_PLUGX.SFI」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

     
    • TROJ_PLUGX.SFI

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • emproxy = "{malware path}\MpCmdRun.exe"

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • emproxy

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\{random file name}

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_PLUGX.SFI」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください