BKDR_PLUGX.KNI
W32/Korplug.AP!tr (Fortinet); a variant of Win32/Korplug.FI (ESET-NOD32); TR/Korplug.2560.6 (Avira); Trojan.Win32.Korplug (Ikarus);
Windows
- マルウェアタイプ: バックドア型
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: はい
- 感染報告の有無: はい
概要
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。
マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %All Users Profile%\helen\setup.exe ← normal file used to load msi.dll
- %All Users Profile%\helen\msi.dll ← copy of itself, detected as BKDR_PLUGX.KNI
- %All Users Profile%\helen\msi.dllmsi ← config data
(註:%All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.)
マルウェアは、以下のプロセスを追加します。
- %Program Files%\Windows Media Player\wmplayer.exe
- %System%\svchost
(註:%Program Files%フォルダは、プログラムファイルのフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Program Files"、64bitのOS上で32bitのアプリケーションを実行している場合、 "C:\Program Files (x86)" です。.. %System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)
マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。
- wmplayer.exe
- svchost.exe
マルウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %All Users Profile%\helen
(註:%All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.)
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- Helens
自動実行方法
マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcsync
Start = "2"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcsync
ErrorControl = "0"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcsync
ImagePath = "%All Users Profile%\helen\setup.exe"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcsync
DisplayName = "mcsync"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcsync
ObjectName = "LocalSystem"
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcsync
Description = "Synchronization Application"
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
mcsync = "%All Users Profile%\helen\setup.exe"
マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcsync
バックドア活動
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- Copy, move, rename, delete files
- Create directories
- Create files
- Enumerate files
- Execute files
- Get drive information
- Get file information
- Open and modify files
- Log keystrokes and active window
- Enumerate TCP and UDP connections
- Enumerate network resources
- Set TCP connection state
- Lock workstation
- Log off user
- Restart/Reboot/Shutdown system
- Display a message box
- Perform port mapping
- Enumerate processes
- Get process information
- Terminate processes
- Enumerate registry keys
- Create registry keys
- Delete registry keys
- Copy registry keys
- Enumerate registry entries
- Modify registry entries
- Delete registry values
- Screen capture
- Delete services
- Enumerate services
- Get service information
- Modify services
- Start services
- Perform remote shell
- Host Telnet server
- Connect to a database server and execute SQL statement
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.13.166:443/{random values}
作成活動
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %All Users Profile%\helen\{random file name 1} → encrypted data
- %All Users Profile%\helen\{random file name 2} → encrypted data
(註:%All Users Profile%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\All Users”、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\ProgramData” です。.)
その他
マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。
マルウェアが作成する以下のファイルは、"msi.dll"を読み込むために利用されるノーマルファイルです。
- %All Users Profile%\helen\setup.exe
マルウェアが作成する以下のファイルは、自身のコピーであり、「BKDR_PLUGX.KNI」として検出されます。
- %All Users Profile%\helen\msi.dll
マルウェアが作成する以下のファイルは、環境設定データです。
- %All Users Profile%\helen\msi.dllmsi
マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは以下のとおりです。
- ファイルのコピーおよび移動、改称、削除
- ディレクトリの作成
- ファイルの作成
- ファイルの列挙
- ファイルの実行
- ドライブ情報の取得
- ファイル情報の取得
- ファイルの開封および変更
- キー入力操作情報およびアクティブなウインドウの記録
- TCPおよびUDP接続の列挙
- ネットワークリソースの列挙
- TCP接続状態の設定
- ワークステーションのロック
- ユーザのログオフ
- コンピュータの再起動およびリブート、シャットダウン
- メッセージボックスの表示
- ポートマッピングの実行
- プロセスの列挙
- プロセス情報の取得
- プロセスの終了
- レジストリキーの列挙
- レジストリキーの作成
- レジストリキーの削除
- レジストリキーのコピー
- レジストリ値の列挙
- レジストリ値の変更
- レジストリ値の削除
- スクリーンキャプチャ
- サービスの削除
- サービスの列挙
- サービス情報の取得
- サービスの変更
- サービスの開始
- リモートシェルの実行
- Telnetサーバをホスト
- データベースサーバへの接続とSQLステートメントの実行
マルウェアが作成する以下のファイルは、暗号化されたデータです。
- %All Users Profile%\helen\{random file name 1}
- %All Users Profile%\helen\{random file name 2}
マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。
マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- mcsync = "%All Users Profile%\helen\setup.exe"
- mcsync = "%All Users Profile%\helen\setup.exe"
手順 5
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
- mcsync
- mcsync
手順 6
以下のフォルダを検索し削除します。
- %All Users Profile%\helen
手順 7
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_PLUGX.KNI」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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