Trend Micro Security

BKDR_NUPIC.RQ

2015年10月13日
 解析者: Pearl Charlaine Espejo   

 別名:

Backdoor:Win32/Nupic.A (Microsoft); Trojan.Win32.Pincav.adgo (Kaspersky); Trojan.Pincav (VBA32); Trojan.Win32.Pincav.caidl (NANO-Antivirus); W32/Pincav.ADGO!tr (Fortinet)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからリモートで受信する特定のコマンドを実行します。これにより、感染コンピュータおよび同コンピュータ上の情報は危険にさらされることとなります。

マルウェアは、感染コンピュータから特定の情報を収集します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 90,112 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年10月1日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, システム情報の収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\checkdns.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %WINDOWS%\msgpluse.dll - detected as BKDR_NUPIC.RQ

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • iexplore.exe

マルウェアは、以下のプロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

  • created iexplore.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Active Setup\Installed Components\{57098B79-D61B-4c35-98DE-5A042D455155}
StubPath = "%Application Data%\checkdns.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKLM\SOFTWARE\Microsoft\
Active Setup\Installed Components\{57098B79-D61B-4c35-98DE-5A042D455155}

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Enumerate files and folders
  • Enumerate fixed drives and retrieve free disk space
  • Delete files and folders
  • Download arbitrary files
  • Upload files
  • Execute cmd shell commands
  • Create a Process
  • Enumerate Processes and Modules
  • Terminate Process

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://mail.{BLOCKED}010.com:1863/net/{data}/{data}/searchnNewsNn2.php

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。このファイルは、収集した情報を保存するために利用されます。

  • %Windows%\mss{random characters}.tmp - where cmd shell commands output are piped into
  • %User Temp%\msextlog.dll - where cmd shell commands output are piped into
  • %User Temp%\msp{random characters}.tmp - where the enumerated processes and modules are saved
  • %User Temp%\mspli02.tmp - where the enumerated processes and modules are saved

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.. %User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

情報漏えい

マルウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。

  • Host name
  • IP address
  • Proxy server

その他

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

マルウェアが作成する以下のコンポーネントファイルは、「BKDR_NUPIC.RQ」として検出されます。

  • %WINDOWS%\msgpluse.dll

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • ファイルおよびフォルダの列挙
  • 固定ドライブを列挙し、空きディスク容量を確認
  • ファイルおよびフォルダの削除
  • 任意のファイルのダウンロード
  • ファイルのアップロード
  • cmdシェルコマンドの実行
  • プロセスの作成
  • プロセスおよびモジュールの列挙
  • プロセスの終了

マルウェアが作成する以下のファイルは、cmdシェルコマンドの出力がパイプされています。

  • %Windows%\mss{random characters}.tmp

マルウェアが作成する以下のファイルは、cmdシェルコマンドの出力がパイプされています。

  • %User Temp%\msextlog.dll

マルウェアが作成する以下のファイルは、列挙されたプロセスおよびモジュールが保存されます。

  • %User Temp%\msp{random characters}.tmp

マルウェアが作成する以下のファイルは、列挙されたプロセスおよびモジュールが保存されます。

  • %User Temp%\mspli02.tmp

マルウェアが収集する情報は以下のとおりです。

  • ホスト名
  • IPアドレス
  • プロキシサーバ

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.952.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年10月1日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.953.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年10月2日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Active Setup\Installed Components
    • {57098B79-D61B-4c35-98DE-5A042D455155}

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Windows%\mss{random characters}.tmp
  • %User Temp%\msextlog.dll
  • %User Temp%\msp{random characters}.tmp
  • %User Temp%\mspli02.tmp

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_NUPIC.RQ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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