Trend Micro Security

BKDR_NFLOG.NVES

2013年5月16日
 解析者: Nikko Tamana   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

マルウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 27,136 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年5月10日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, ファイルのダウンロード, URLまたはIPアドレスに接続, システム情報の収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\word.doc - Non-malicious DOC file
  • %Temp%\NfIpv6.ocx - Also detected as BKDR_NFLOG.NVES
  • %Temp%\YahooCache.ini
  • %Temp%\checkup.exe - Also detected as BKDR_NFLOG.NVES
  • %Temp%\$NtUninstallKB942388$ - Contains stolen information

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Temp%フォルダは、標準設定では "C:\Windows\Temp" です。)

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP
Type = "20"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP
ErrorControl = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP
ImagePath = "%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k netsvcs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP
DisplayName = "IPv6 Stack Local Support"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP
Description = "Net address translation for IPv6 Protocol"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP\Security
Security = "{hex values}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP\Parameters
ServiceDll = %Temp%\NfIpv6.ocx

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP\Parameters

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\IPRIP\Security

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings\P3P

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings\P3P\History

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Clock
HID = "{hex values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
WebView\Barricaded Folders
shell:Windows = "0"

マルウェアは、インストールの過程で以下のレジストリキーまたはレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths
Directory = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths\path3
CachePath = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache3"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache3」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths\path2
CachePath = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths\path1
CachePath = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache1」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths\path4
CachePath = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache4」となります。)

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download files
  • Perform remote shell
  • Retrieve system information
  • Update self

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://www.{BLOCKED}eaderupdating.com/norton/NfCommand.asp?
  • http://www.{BLOCKED}eaderupdating.com/norton/Nfpredown.asp?
  • http://www.{BLOCKED}eaderupdating.com/norton/NfHostInfo.asp?
  • http://www.{BLOCKED}eaderupdating.com/norton/NfCommand.asp?
  • http://www.{BLOCKED}eaderupdating.com/norton/NfStart.asp?

マルウェアは、コマンド&コントロール(C&C)サーバに以下の情報を通知します。

  • IP configuration
  • Network statistics
  • Running processes
  • Running services
  • System information

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • http://www.{BLOCKED}eaderupdating.com/norton/Nfile.asp

マルウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %Temp%\MSMAPI.OCX - Also detected as BKDR_NFLOG.NVES

(註:%Temp%フォルダは、標準設定では "C:\Windows\Temp" です。)

マルウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

その他

マルウェアが自身の不正活動を実行するためには、以下のファイルが必要になります。

  • %Temp%\YahooCache.ini

(註:%Temp%フォルダは、標準設定では "C:\Windows\Temp" です。)

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアが作成する無害なWordファイルは以下のとおりです。

  • %User Temp%\word.doc

マルウェアが作成するこのマルウェアとして検出されるファイルは以下のとおりです。

  • %Temp%\NfIpv6.ocx
  • %Temp%\checkup.exe

マルウェアが作成し、収集された情報を含むファイルは以下のとおりです。

  • %Temp%\$NtUninstallKB942388$

マルウェアが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • ファイルのダウンロード
  • リモートシェルの実行
  • システム情報の取得
  • 自身の更新

マルウェアがコマンド&コントロール(C&C)サーバに通知する情報は以下のとおりです。

  • IP環境設定
  • Network statistics(netstat)
  • 実行中プロセス
  • 実行中サービス
  • システム情報

マルウェアがダウンロードし、このマルウェアとして検出されるファイルの保存に用いられるファイル名は以下のとおりです。

  • %Temp%\MSMAPI.OCX

マルウェアは、IPアドレスおよび感染時間を送信し、コンピュータの感染を報告します。マルウェアは、HTTPポストを介して以下のURLにこの情報を送信します。

  • http://www.<省略>eaderupdating.com/norton/NfStart.asp?

マルウェアは、作成した無害なWordファイルを開き、ユーザが正規のWordファイルを開いたかのように装います。

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.908.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年5月10日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.909.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年5月11日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • IPRIP
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • P3P

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Clock
    • HID = "{hex values}"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\WebView\Barricaded Folders
    • shell:Windows = "0"

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths
    • From: Directory = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5"
      To: Directory = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths\path3
    • From: CachePath = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache3"
      To: CachePath = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache3"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths\path2
    • From: CachePath = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache2"
      To: CachePath = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths\path1
    • From: CachePath = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache1"
      To: CachePath = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths\path4
    • From: CachePath = "NetworkService's %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache4"
      To: CachePath = %Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache4

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\word.doc
  • %Temp%\NfIpv6.ocx
  • %Temp%\YahooCache.ini
  • %Temp%\checkup.exe

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_NFLOG.NVES」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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