Trend Micro Security

BKDR_LUMINOSITY.D

2016年5月28日
 解析者: Mar Philip Elaurza   

 別名:

Trojan:Win32/Skeeyah.A!rfn (Microsoft), Trojan.MSIL.Injector (Ikarus), MSIL/Injector.OUL (ESET), Trojan.MSIL.Smalo.jw (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 934,400 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年5月16日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, プロセスの強制終了

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %AppDataLocal%\Client\WdiServiceHost.exe

(註:%AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %AppDataLocal%\Client\WinHttpAutoProxySync.exe (watchdog) - also detected as BKDR_LUMINOSITY.D

(註:%AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • svchost.exe
  • AppLaunch.exe
  • vbc.ex
  • RegAsm.exe
  • RegSvcs.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows
Load = "%AppDataLocal%\Client\WinHttpAutoProxySync.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「""」となります。)

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Downloads and executes arbitrary files
  • Downloads and executes custom Crypto Miner
  • Downloads custom password recovery tool
  • Searches for files
  • Performs DDOS
  • Modifies HOSTS file to redirect hosts/URLs
  • Visits arbitrary websites (browser can be hidden and have muted audio)
  • Seeds torrent
  • Updates itself
  • Updates backup C&C
  • Remotes Desktop Control
  • Remotes shell
  • Remotes Script
  • Records audio using system's microphone
  • Controls Webcam
  • Uninstalls itself
  • Executes/Terminates/Disables Task Manager
  • Executes/Terminates/Disables Command Prompt
  • Executes/Terminates/Disables Registry Editor
  • Hides/Shows Taskbar
  • Hides/Shows Desktop
  • Opens/Closes CD-ROM door
  • Turns on/off user's monitor
  • Enables/Disables Keyboard
  • Enables/Disables Mouse
  • Swaps/Resets Mouse
  • Deletes Restore points
  • Enables/Disables input
  • Logs off User
  • Hibernates
  • Shutdowns system
  • Reboots System
  • Performs network speed test
  • Manage Files
  • Manage Processes
  • Gathers the following information:
    • Client Overview:
      • Client ID used
      • Country
    • Software Information:
      • User Privelege
      • Machine Name
    • Hardware Information:
      • Machine Type
      • CPU Information
      • GPU Information
      • RAM Information
      • Battery
      • Monitor Count
    • Network Information:
      • WAN address
      • Download Speed
      • LAN Address
      • MAC Address
    • Others:
      • Security information
      • Uptime
      • Active Windows
      • Current malware file location
      • Full OS version
      • Keystroke logs
      • Stored passwords

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}n.{BLOCKED}s.net:1313

マルウェアが作成する以下のファイルは「BKDR_LUMINOSITY.D」として検出されます。

  • %AppDataLocal%\Client\WinHttpAutoProxySync.exe (watchdog)

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • 任意のファイルのダウンロードおよび実行
  • カスタマイズされたアプリ「Crypto Miner」のダウンロードおよび実行
  • カスタマイズされたパスワード修復ツールのダウンロード
  • ファイルの検索
  • 「分散型サービス拒否(DDoS)攻撃」の実行
  • 特定のURLへ誘導するためにHOSTSファイルを変更
  • ブラウザが隠され音声無しの状態で任意のWebサイトを訪問
  • トレントファイルの配布
  • 自身の更新
  • バックアップ用のコマンド&コントロール(C&C)サーバの更新
  • リモートからデスクトップを操作
  • リモートシェル
  • リモートスクリプト
  • コンピュータのマイクを利用し音声を録音
  • Webカメラの操作
  • 自身のアンインストール
  • タスクマネージャの実行、終了および無効
  • コマンドプロンプトの実行、終了および無効
  • レジストリエディタの実行、終了および無効
  • タスクバーの表示および非表示
  • デスクトップの表示および非表示
  • CD-ROMドアの開閉
  • ユーザのモニターのオンおよびオフ
  • キーボートの有効化および無効
  • マウスの有効化および無効
  • マウスの交換およびリセット
  • 復元ポイントの削除
  • 入力の有効化および無効
  • ユーザのログオフ
  • 休止状態
  • コンピュータのシャットダウン
  • コンピュータの再起動
  • ネットワーク速度のテストの実行
  • ファイルの管理
  • プロセスの管理
  • 以下の情報の収集
    • クライアントの概要
      • 利用されるクライアントID
      • 国/地域
    • ソフトウェアの情報
      • ユーザ権限
      • コンピュータ名
    • ハードウェアの情報
      • コンピュータタイプ
      • CPU情報
      • GPU 情報
      • RAM 情報
      • バッテリー
      • モニター数
    • ネットワーク情報
      • WANアドレス
      • ダウンロード速度
      • LANアドレス
      • MACアドレス
    • その他
      • セキュリティ情報
      • 稼働時間
      • アクティブなウィンドウ
      • 不正ファイルの現在位置
      • オペレーティング・システム(OS)のバージョン
      • キー入力操作情報の記録
      • 保存されたパスワード

その他

マルウェアはコンピュータにインストールされたセキュリティ対策製品およびファイアーウォール製品をクエリし、セキュリティ対策サービスをブロックする機能を備えています。セキュリティ対策製品およびファイアーウォール製品を確認すると、マルウェアは当該のセキュリティ対策サービスおよびプロセスを終了します。

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.8
初回 VSAPI パターンバージョン 12.530.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年5月16日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.531.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年5月17日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • From: Load = "%AppDataLocal%\Client\WinHttpAutoProxySync.exe"
      To: Load = ""

手順 5

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_LUMINOSITY.D」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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