Trend Micro Security

BKDR_IRCBOT.AYN

2013年3月29日
 解析者: Abraham Latimer Camba   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ EXE, DLL, TMP
メモリ常駐 はい
発見日 2013年3月26日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %System%\{random name}.dll - also detected as BKDR_IRCBOT.AYN
  • {malware path}\RunCmd.log - log file
  • {malware path}\Temp\114719_507_AhnlabUpdatekit\AhnlabUpdate.exe - also detected as BKDR_IRCBOT.AYN
  • {malware path}\Temp\114719_507_AhnlabUpdatekit\RunCmd.exe - also detected as BKDR_IRCBOT.AYN
  • {malware path}\Temp\114719_507_AhnlabUpdatekit\RunCmd.ini - configuration file

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • {malware path}\Temp
  • {malware path}\Temp\114719_507_AhnlabUpdatekit

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • explorer.exe
  • svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}
DisplayName = "{random service name}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}
ErrorControl = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}
ImagePath = "%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k netsvcs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}
Type = "20"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}\Parameters
ServiceDll = "%System%\{random name}.dll"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}\Parameters
ServiceMain = "ServiceMain"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\Msxml2.DOMDocument.3.7

HKEY_CLASSES_ROOT\Msxml2.DOMDocument.3.7\CLSID

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Microsoft Sign

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}\Enum

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}\Parameters

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}\Security

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\Msxml2.DOMDocument.3.7\CLSID
(Default) = "{88d96a05-f192-11d4-a65f-0040963251e5}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Microsoft Sign
KeyCode = "{random values}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Microsoft Sign
Policy = "{random values}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Microsoft Sign
SignCode = "{random values}"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\SvcHost
netsvcs = "{default values} {random service name}"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{default values}」となります。)

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Get operating system information
  • Get drive information
  • Get computer name
  • Get user name
  • Join an IRC channel to get commands
  • Enumerate files and folders
  • Create files and folders
  • Download files
  • Perform remote shell
  • Sleep for a specified amount of time
  • Restart system
  • Terminate self
  • Update self

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}a.cine21.com/bbs/icon/install1_ok.php
  • http://{BLOCKED}g.pe.kr/mdk/install1_ok.php
  • http://{BLOCKED}hairstory.com.au/bbs/install_ok.php
  • http://{BLOCKED}r.pe.kr/zeroboard/install1_ok.php

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_IRCBOT.AYN」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • Msxml2.DOMDocument.3.7
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft
    • Microsoft Sign
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • {random service name}

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SvcHost
    • From: netsvcs = "{default values} {random service name}"
      To: netsvcs = {default values}

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {malware path}\Temp

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {malware path}\RunCmd.log

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_IRCBOT.AYN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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