Trend Micro Security

BKDR_IDICAF.DL

2012年10月9日
 解析者: Christopher Daniel So   
 別名:

Backdoor:Win32/Idicaf.gen!B (Microsoft), Generic BackDoor!dkb (McAfee), Backdoor.Win32.Agent.bmsq (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェア マルウェアは、自身（コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア ）を削除します。

  詳細

ファイルサイズ 168,976 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2011年8月3日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\{malware file name}.dll
  • %System%\dllcache\ntmssvc.dll

(註：%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Irmon
ImagePath = "%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k netsvcs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Irmon
DisplayName = "Irmon System Services"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Irmon\Parameters
ServiceDll = "{malware path and file name}"

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Active Setup\Installed Components\{random CLSID}
StubPath = "Rundll32.exe {malware path and file name},AXMain"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{malware file name} = "Rundll32.exe {malware path and file name},Rundll32Main"

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Irmon

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtmsSvc
Start = "2"

(註：変更前の上記レジストリ値は、「3」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtmsSvc
ErrorControl = "0"

(註：変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

その他

マルウェア は、自身（コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア ）を削除します。

マルウェアは、既存のファイル "%System%\conime.exe" を以下のようにコピーし、バックアップとして利用します。

  • %System%\eminoc_bd.dll

そして、マルウェアは、既存のファイル "%System%\conime.exe" を変更します。それによって、"%System%\conime.exe"が起動すると、自身のコピー "%System%\{malware file name}.dll" が自動実行されます。

マルウェアは、既存のファイル "%System%\ntmssvc.dll" を以下ようにコピーし、バックアップとして利用します。

  • %System%\ntmssvc.dll.obak

そして、既存のファイル "%System%\ntmssvc.dll" を自身のコピーと置き換えます。

  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 8.330.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年8月3日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン（エンジン、パターンファイル）を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_IDICAF.DL」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

「BKDR_IDICAF.DL」として検出されたファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告：レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Active Setup\Installed Components\{random CLSID}
    • StubPath="Rundll32.exe {malware path and file name},AXMain"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {malware file name}="Rundll32.exe {malware path and file name},Rundll32Main"

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告：レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • Irmon

手順 7

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告：レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\NtmsSvc
    • From: Start = "2"
      To: Start = "3"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\NtmsSvc
    • From: ErrorControl = "0"
      To: ErrorControl = "1"

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン（エンジン、パターンファイル）を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_IDICAF.DL」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註）手順8の前に、以下の手順を行ってください。

このマルウェアが変更したファイルを修復します。

手順1，コマンドプロンプトを起動します。

  • Windows 2000 および Windows XP、Windows Server 2003の場合
    [スタート]ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行]をクリックします。「cmd」と入力し、Enter キーを押します。
  • Windows Vista および Windows 7の場合
    [スタート]ボタンをクリックします。[プログラムとファイルの検索]に「cmd」と入力し、Enter キーを押します。

手順2，コマンドプロンプトウィンドウに以下を入力します。

  • copy /Y "%System%\eminoc_bd.dll" "%System%\conime.exe"
  • copy /Y "%System%\ntmssvc.dll.obak" "%System%\ntmssvc.dll"

手順3，以下のコマンドを入力し、コマンドプロンプトウィンドウを閉じします。

  • exit


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