Trend Micro Security

BKDR_GENTA.TR

2012年10月9日
 解析者: Mark Joseph Manahan   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成, Eメールを介したスパム活動

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。 マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

マルウェアは、ダウンロードする機能を備えていません。

マルウェアは、情報収集する機能を備えていません。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

使用ポート TCP Port 443
ファイルサイズ 733,184 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年7月16日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Desktop%\nvsvc.exe - also detected as BKDR_GENTA.TR

(註: %Desktop%フォルダは、Windows 98 および MEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\デスクトップ" です。 Windows NTの場合、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\デスクトップ"、Windows 2000、XP、Server 2003の場合は "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\デスクトップ" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 85214sss4

自動実行方法

マルウェアは、作成されたコンポーネントがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
JavaReal kallyer = "%Desktop%\nvsvc.exe"

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.138.162

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ダウンロード活動

マルウェアは、ダウンロードする機能を備えていません。

情報漏えい

マルウェアは、情報収集する機能を備えていません。

その他

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアが作成し実行する以下のファイルは、このマルウェアとして検出されます。

  • %Desktop%\nvsvc.exe

実行されると、マルウェアは、感染コンピュータに現在ログオンしているユーザに管理者権限があるかを確認します。管理者権限がある場合、"%Desktop%\nvsvc.exe" を「代替データストリーム(ADS)」にコピーし、以下のように保存します。

  • %System%:mskallyer.exe

そして、マルウェアは、以下のレジストリ値を追加または変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
JavaReal kallyer = "%System%:mskallyer.exe"

マルウェアは、以下のレジストリキーにアクセスすることにより、既定のWebブラウザを問い合わせます。

HKEY_CLASSES_ROOT\http\shell\open\command

そして、自身のコードが組み込まれた、Webブラウザのプロセスを非表示で起動します。組み込まれたコードには、自身のバックドア活動を含むコードが含まれています。

不正リモートユーザは、以下のコマンドを送信します。

  • ファイルのダウンロード/コピー
  • ディレクトリのリスト化

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
VSAPI OPR パターンバージョン 9.269.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年7月19日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • JavaReal kallyer = "%Desktop%\nvsvc.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • JavaReal kallyer = "%System%:mskallyer.exe"

手順 4

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_GENTA.TR」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註:管理者権限で設定されたアカウントでは、通常モードで再起動の手順(上記の手順 4)の後に、以下の手順を実施してください。

以下のファイルから代替データストリーム(ADS)を削除します。

代替データストリーム(ADS)の削除:

  1. "Streams.exe" をダウンロードします。
  2. ダウンロードしたファイルを任意のディレクトリに解凍します。
  3. コマンドプロンプトを起動します。
    ・[スタート] →[ファイル名を指定して実行] → CMDを入力し、Enter キーを押します。
  4. 以下のコマンドを入力し、Enterを押してください。

    CD <2)でダウンロードおよび解凍したファイルのパス名>

    ※"CD"、"<2)でダウンロードおよび解凍したファイルのパス名>" の間には、半角スペースを入れてください。
  5. 以下のコマンドを入力し、Enterを押してください。

    Streams.exe -d %System%

    ※"Streams.exe"、"-d"、"%System%"の間には、半角スペースを入れてください。
  6. EXITコマンドを入力し、コマンドプロンプトを閉じてください。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください