Trend Micro Security

BKDR_FOLYRIS.A

2015年9月14日
 解析者: Janus Agcaoili   

 別名:

Trojan:Win32/Folyris.A (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のレジストリ値を変更し、Windows Update の自動更新機能を無効にします。これにより、緊急のWindows Update が必要な際でも感染コンピュータは通知されなくなります。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

マルウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 510,711 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年3月31日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、異なるファイル名を用いて以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\Microsoft\update.exe
  • %Windows%\-1474012438\taskhost

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %User Profile%\dwm

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • BACKUP_-1474012438
  • MAIN_-1474012438
  • UPDATE_-1474012438
  • UNINSTALL_-1474012438

マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成したマルウェア)を終了し、侵入したコンピュータ内で作成した自身のコピーの方を実行します。

マルウェアは、感染コンピュータ上のメモリに以下のプロセスを確認すると、自身を終了します。

  • SbieDll.dll
  • snxhk.dll
  • dbghelp.dll

自動実行方法

マルウェアは、作成されたコンポーネントがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Facebook Update = "%Application Data%\Microsoft\update.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer\Run
Facebook Update = "%Application Data%\Microsoft\update.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
shell = "%Application Data%\Microsoft\update.exe,explorer.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
*-1474012438 = "%Windows%\-1474012438\taskhost"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
*-1474012438 = "%Windows%\-1474012438\taskhost"

マルウェアは、<User Startup>フォルダ内に、自身のコピーに誘導する以下のショートカットを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーが自動実行されます。

  • %User Startup%\Facebook.lnk

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のファイルを削除します。

  • {Malware path}\{Malware Name}:Zone.Identifier

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoFolderOptions = 1

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、Windows Update の自動更新機能を無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoWindowsUpdate = 1

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更し、隠しファイル属性のファイルを非表示にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = 2

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced\Folder\SuperHidden
CheckedValue = 1

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
ShowSuperHidden = 0

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download/Update itself
  • Open Skype Application (If Available)
  • Open browser applications and visit arbitrary sites
  • Search and Download files from affected systems
  • Lock users out of affected system
  • Terminate malware from the affected system
  • Uninstall malware from the affected system
  • Perform DDOS attacks:
    - HTTP GET/POST Flood
    - BANDWIDTH Flood
    - RUDY Flood
    - SLOWLORIS Flood
    - ARME Flood
    - UDP Flood
    - ECF Flood
    - BROWSER BASED Flood
  • Terminate Process/es from affected systems
  • Delete file/s from affected systems

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}thit.x10.mx/panel/gate.php

マルウェアは、コマンド&コントロール(C&C)サーバに以下の情報を通知します。

  • a = URL (Base64 Encoded)
  • b = "|type:on_exec|uid:%s|priv:%s|arch:x%s|gend:%s|cores:%i|os:%s|ver:%s|net:%s|new:" (Encrypted)
  • c = Data marker of the response (Base64 Encoded)

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • autoruns.exe

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

マルウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • UID
  • PRIVILEDGE (Admin/User/Etc)
  • ARCHITECTURE (x86/x64)
  • GENDER (Laptop/Desktop/etc)
  • NUMBER OF CORES
  • OS
  • OS VERSION
  • .NET VERSION

その他

マルウェアは、以下のファイルの属性を隠しファイルおよびシステムファイル属性に設定します。

  • %Windows%\-1474012438\taskhost

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスの存在を確認します。

  • explorer.exe <- Child process of either "dwm" or "taskhost"
  • (Note: This routine is used to check and ensure that the malware is running)

マルウェアは、以下のWebサイトにDNSリクエストを実行します。

  • http://{BLOCKED}thit.x10.mx

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 10.698.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年3月31日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.699.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年4月1日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  %User Startup%\Facebook.lnk

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • *-1474012438 = C:\WINDOWS\-1474012438\taskhost

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • *-1474012438 = C:\WINDOWS\-1474012438\taskhost

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Facebook Update = %Application Data%\Microsoft\update.exe

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run
    • Facebook Update = %Application Data%\Microsoft\update.exe

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • shell = %Application Data%\Microsoft\update.exe,explorer.exe

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • From: NoWindowsUpdate = 1
      To: NoWindowsUpdate = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = 2
      To: Hidden = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced\Folder\SuperHidden
    • From: CheckedValue = 1
      To: CheckedValue = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • From: NoFolderOptions = 1
      To: NoFolderOptions = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • From: ShowSuperHidden = 0
      To: ShowSuperHidden = 1

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_FOLYRIS.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください