Trend Micro Security

BKDR_ETUMBOT.NUO

2017年10月12日
 解析者: Michael Jay Villanueva   

 別名:

TrojanDropper:Win32/Etumbot.A!dha (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。 マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 105,472 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2017年8月30日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの作成, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %Application Data%\LHA

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • {Current Malware Path}\~bctp2a -> encrypted form of the fake document, deleted afterwards

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • {Full malware path and filename excluding the extension, minus 4 characters at the end}.doc -> decrypted form of fake document, executed by the malware in order to distract the user while the main malicious routine (backdoor) is afftecting the system
    For example:
    C:\Test\1.exe -> C:\Te.doc
  • %Application Data%\LHA\LHAUpd.exe -> detected as BKDR_ETUMBOT.NUO

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
LHAUpd = "%AppData%\LHA\LHAUpd.exe"

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Execute arbitrary files/codes
  • Download files
  • Upload files
  • Delete files
  • Enumerate printers
  • Sleep

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.115.83/library/ja-jp/{ID}={Generated Infected Computer’s ID with an appended random numbers}/ta=3afe27aa-6c2d-5c21-94de-8bc342ec72b2/bm={random code number}#{Encrypted Data}
    where {Encrypted Data} contains the encrypted form of the gathered information from the affected machine

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • User Name
  • Computer Name
  • IP Address
  • OS Version
  • System Directory

その他

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアが作成する以下のファイルは、偽の文書ファイルが暗号化されたもので、その後、削除されます。

  • {Current Malware Path}\~bctp2a

マルウェアが作成する以下のファイルは、偽の文書ファイルが復号されたものです。メインのバックドア活動を実行中に、ユーザを注意をそらせるためにマルウェアによって実行されます。例:C:\Test\1.exe -> C:\Te.doc

  • {Full malware path and filename excluding the extension, minus 4 characters at the end}.doc

マルウェアが作成する以下のファイルは、「BKDR_ETUMBOT.NUO」として検出されます。

  • %Application Data%\LHA\LHAUpd.exe

マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは以下のとおりです。

  • 任意のファイル/コードの実行
  • ファイルのダウンロード
  • ファイルのアップロード
  • ファイルの削除
  • プリンターの列挙
  • スリープ

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。{Encrypted Data} の部分には、感染コンピュータから収集された情報が暗号化されたものが含まれています。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.115.83/library/ja-jp/{ID}=131161449/ta=3afe27aa-6c2d-5c21-94de-8bc342ec72b2/bm={random code number}&{Encrypted Data}

マルウェアは以下の情報を収集します。

  • ユーザ名
  • コンピュータ名
  • IPアドレス
  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン
  • システムディレクトリ

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.632.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2017年9月1日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.633.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2017年9月2日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

「BKDR_ETUMBOT.NUO」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • LHAUpd = %AppData%\LHA\LHAUpd.exe

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\LHA

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Current Malware Path}\~bctp2a
  • {Full malware path and filename excluding the extension, minus 4 characters at the end}.doc
  • %Application Data%\LHA\LHAUpd.exe

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_ETUMBOT.NUO」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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