Trend Micro Security

BKDR_DOKSTORMC.A

2012年11月23日
 解析者: Nikko Tamana   

 別名:

W32/Injector.UPJ!tr (Fortinet), Backdoor.Win32.Dokstormac (Ikarus), Backdoor:Win32/Dokstormac.A (Microsoft), a variant of Win32/Injector.UPJ trojan (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、「Arcom」という「Remote Access Tool(RAT)」として知られています。マルウェアは、偽の津波警報ビデオからダウンロードされるファイルとしてコンピュータに侵入します。

この事例に関する情報は、英語ブログ「Tsunami Warning Leads to Arcom RAT」をご参照ください。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

ファイルサイズ 1,081,048 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年11月19日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動, ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\Imvu\asl.avf
  • %Application Data%\Imvu\logs\{Date of Execution}.arl

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\Imvu\Imvu.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\Imvu
  • %Application Data%\Imvu\logs
  • %Application Data%\Imvu\IML

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • qawsed
  • ujyhtg
  • rftgyh
  • yhujik

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • iexplore.exe
  • notepad.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Skype = "%Application Data%\Imvu\Imvu.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Skype
ID = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Skype
PX = "{random number}"

バックドア活動

マルウェアは、以下のポートを開き、リモートコマンドを待機します。

  • TCP Port 8888

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Check for internet connection
  • Visit a website
  • Download other files
  • Execute remote shell
  • List open processes
  • Terminate processes
  • Create processes
  • Shutdown computer
  • Copy file
  • Delete file
  • Execute file
  • Access TeamViewer if found
  • Get Logical Drives information
  • Delete registry keys
  • Log keystrokes
  • End backdoor connection

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}s117.no-ip.org:1888

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして自身のコンポーネントファイルをダウンロードします。

  • www.{BLOCKED}e.com/file.avf

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

その他

マルウェアが実行するコマンドは以下のとおりです。

  • インターネット接続の確認
  • Webサイトへアクセス
  • 他のファイルのダウンロード
  • リモートシェルの実行
  • 起動中のプロセスの表示
  • プロセスの終了
  • プロセスの作成
  • コンピュータのシャットダウン
  • ファイルのコピー
  • ファイルの削除
  • ファイルの実行
  • 確認した "TeamViewer" へのアクセス
  • 論理ドライブに関する情報の取得
  • レジストリキーの削除
  • キー入力操作情報の記録
  • バックドア接続の終了


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.536.09
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年11月19日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.537.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年11月20日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\Imvu\asl.avf
  • %Application Data%\Imvu\logs\{Date of Execution}.arl

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\Imvu
  • %Application Data%\Imvu\logs
  • %Application Data%\Imvu\IML

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Skype = "%Application Data%\Imvu\Imvu.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Skype
    • ID = "{random values}"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Skype
    • PX = "{random number}"

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_DOKSTORMC.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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