BKDR_DARKOMET.P
Windows
- マルウェアタイプ: バックドア型
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: なし
- 感染報告の有無: はい
概要
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。
マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
マルウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %User Temp%\IXP000.TMP\TMP4351$.TMP - deleted afterwards
- %AppDataLocal%\CSIDL_X - deleted afterwards
- %AppDataLocal%\CSIDL_
- %User Temp%\IXP000.TMP\M.ex_ - deleted afterwards
- %User Temp%\tmp05\tmpfile.ex_- deleted afterwards
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.. %AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)
マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。
- %User Temp%\IXP000.TMP\M.exe -> detected as BKDR_DARKOMET.P
- %User Temp%\tmp05\tmpfile.exe ->copy of M.exe, detected as BKDR_DARKOMET.P
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)
マルウェアは、以下のフォルダを作成します。
- %User Temp%\IXP000.TMP
- %User Temp%\tmp05
- %Application Data%\dclogs
(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.. %Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
- DC_MUTEX-DXE2AAX
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
UserInit = "%System%\userinit.exe,%User Temp%\tmp05\tmpfile.exe"
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
tempfiler = "%User Temp%\tmp05\tmpfile.exe"
マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。
- %User Startup%\system.pif -> copy of M.exe, detected as BKDR_DARKOMET.P
(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications
HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications\
M
HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications\
tmpfile
HKEY_CURRENT_USER\Software\DC3_FEXEC
マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
wextract_cleanup0 = "rundll32.exe %System%\advpack.dll,DelNodeRunDLL32 "%User Temp%\IXP000.TMP\""
感染活動
マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。
バックドア活動
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- List disk drives
- List webcams and monitor/capture video
- Change MSN Messenger status & modify contact list
- Shutdown, Restart, Log off or Lock computer
- Empty Recycle Bin
- Visit arbitrary C&C servers
- List active windows
- Remote shell command
- Download and execute files
- Download updated copy of itself
- Upload files
- Log keystrokes
- Refresh or delete logs
- Modify system's host file
- Record and play sounds
- Open and close CD-ROM drive door
- Steal passwords
- Get torrent files
- Refresh Wifi
- Uninstall programs
- Start and control chat sessions
- Monitor activity by Remote Desktop Protocol
- DDOS Flooding
- Manipulate the following:
- Browser
- Clipboard
- Desktop
- Dialog Box
- Files
- Folders
- Mouse clicks
- Processes
- Registries
- Services
- Shutdown button options
- Start button
- System clock
- System tray
- Taskbar
- Lessen system security level by:
- Disabling update notification
- Disabling AV notification
- Disabling firewall
- Disabling services
- Disabling LUA notification
- Disable RegistryTools
- Disable TaskMgr
- Disable Control Panel
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
- {BLOCKED}4ck.no-ip.biz:1122
作成活動
マルウェアは、以下のファイルを作成します。このファイルは、収集した情報を保存するために利用されます。
- %Application Data%\dclogs\{current date}-{number}.dc
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)
情報漏えい
マルウェアは、以下の情報を収集します。
- Admin rights
- Computer/User name
- Language/Country
- Operating System information
- RAM used
- Web Cam information
マルウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。
その他
マルウェアが作成する以下のファイルは。その後削除されます。
- %User Temp%\IXP000.TMP\TMP4351$.TMP
- %AppDataLocal%\CSIDL_X
- %User Temp%\IXP000.TMP\M.ex_
- %User Temp%\tmp05\tmpfile.ex_
マルウェアが作成し実行する以下のファイルは、「BKDR_DARKOMET.P」として検出されます。
- %User Temp%\IXP000.TMP\M.exe
- %User Temp%\tmp05\tmpfile.exe(M.exeのコピー)
マルウェアが実行する不正リモートユーザからのコマンドは、以下のとおりです。
- ディスク・ドライブの列挙
- Webカメラの列挙およびビデオの監視やキャプチャ
- MSNメッセンジャのステータスの変更およびコンタクトリストの変更
- コンピュータをシャットダウン、再起動、ログオフまたはロック
- ゴミ箱を空にする
- 任意のコマンド&コントロール(C&C)サーバにアクセス
- アクティブなウィンドウの列挙
- リモートシェルコマンドの実行
- ファイルのダウンロードおよび実行
- ファイルのアップロード
- キー入力操作情報の記録
- ログのリフレッシュまたは削除
- コンピュータのホストファイルの改変
- 音声の記録および再生
- CD-ROMドライブドアの開閉
- パスワードの窃取
- TORRENTファイルの取得
- Wifiのリフレッシュ
- プログラムのアンインストール
- チャットセッションの開始および操作
- リモートデスクトッププロトコルによるアクティビティの監視
- 「分散型サービス拒否(DDoS)攻撃」の実行
- 以下を操作する
- ブラウザ
- クリップボード
- デスクトップ
- ダイアログボックス
- ファイル
- フォルダ
- マウスクリック
- プロセス
- レジストリ
- サービス
- シャットダウンのオプション
- スタートボタン
- システム・クロック
- システム・トレイ
- タスクバー
- 以下を実行してコンピュータのセキュリティレベルを下げる
- 更新の通知を無効にする
- セキュリティ対策製品の通知を無効にする
- ファイアウォールを無効にする
- サービスを無効にする
- Luaの通知を無効にする
- レジストリツールの無効
- タスクマネジャの無効
- コントロールパネルの無効
マルウェアが収集する情報は以下のとおりです。
- 管理者権限
- コンピュータ名およびユーザ名
- 言語および国名
- オペレーティングシステム(OS)の情報
- 使用されているメモリ(RAM)
- Webカメラの情報
マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。
マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。
対応方法
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
- wextract_cleanup0 = "rundll32.exe %System%\advpack.dll,DelNodeRunDLL32 "%User Temp%\IXP000.TMP\""
- wextract_cleanup0 = "rundll32.exe %System%\advpack.dll,DelNodeRunDLL32 "%User Temp%\IXP000.TMP\""
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
- UserInit = "%System%\userinit.exe,%User Temp%\tmp05\tmpfile.exe"
- UserInit = "%System%\userinit.exe,%User Temp%\tmp05\tmpfile.exe"
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- tempfiler = "%User Temp%\tmp05\tmpfile.exe"
- tempfiler = "%User Temp%\tmp05\tmpfile.exe"
手順 5
このレジストリキーを削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications
- M
- M
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications
- tmpfile
- tmpfile
- In HKEY_CURRENT_USER\Software
- DC3_FEXEC
- DC3_FEXEC
手順 6
以下のフォルダを検索し削除します。
- %Application Data%\dclogs
- %User Temp%\IXP000.TMP
- %User Temp%\tmp05
手順 7
以下のファイルを検索し削除します。
- %Application Data%\dclogs\{current date}-{number}.dc
- %AppDataLocal%\CSIDL_
手順 8
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_DARKOMET.P」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 9
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR_DARKOMET.P」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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