Trend Micro Security

BKDR_CRIDEX.WD

2012年11月30日
 解析者: Rhena Inocencio   
 更新者 : Anthony Joe Melgarejo

 別名:

Worm:Win32/Cridex.E (Microsoft), W32.Cridex (Symantec), PWS-Zbot.gen.anq (McAfee)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 92,672 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年11月23日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\exp{1 digit number}.exe.tmp

(註:%User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\KB{random number}.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
KB{random number}.exe = "%User Profile%\Application Data\KB{random number}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\{random key name 2}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\{random key name 1}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
GlobalUserOffline = "0"

その他

マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.215.210:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.59.55:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.58.80:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.206.66:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.150.72:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.61.59:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.17.180:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.100.108:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.189.180:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.72.46:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.187.72:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.89.82:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.147.52:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.5.140:8080/LvI/xCA/GoZZkCAAAA/Noy6SAAAA/

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.650.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年11月30日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.561.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年12月1日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_CRIDEX.WD」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • GlobalUserOffline = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • KB{random number}.exe = "%User Profile%\Application Data\KB{random number}.exe"

手順 5

「BKDR_CRIDEX.WD」として検出されたファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\exp{1 digit number}.exe.tmp

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_CRIDEX.WD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註:
このマルウェアが追加する以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\{random key name 1}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\{random key name 2}

そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することでこのマルウェアによって追加された{random}を確認することが可能となります。なお、追加されたキー「{random key name 1}」および「{random key name 2}」は、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。


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