BKDR_BOTIME.A

2013年8月21日

解析者: Jaime Benigno Reyes

プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit), Windows 7 (32-bit)

危険度:

ダメージ度:

感染力:

感染確認数:

マルウェアタイプ: バックドア型
破壊活動の有無: なし
暗号化: はい
感染報告の有無: はい

概要

感染経路他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

詳細

ファイルサイズ 31,232 bytes

タイプ EXE

メモリ常駐はい

発見日 2013年6月7日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

%system%\MSCTFIMEEXT.IME - detected as PTCH_REDUS.A

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

svchost.exe

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC\
Boot

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Keyboard Layouts\E6861806

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC
ie = "{malware's location}\{malware name}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC
id2 = "{16 alphanumeric characters}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC
it2 = it2 = "{binary data}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC\
Boot
Runner1 = "{encrypted chunk of codes}"

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Internet Explorer\Main
Start Page = "about:blank"

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings
PrivacyAdvanced = "0"

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings
EnableHttp1_1 = "1"

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings
CertificateRevocation = "1"

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings
DisableCachingOfSSLPages = "1"

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Policies\Explorer
NoFavoritesMenu = "1"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_USERS\.DEFAULT\Keyboard Layout\
Preload
1 = "E6861806"

(註：変更前の上記レジストリ値は、「00000409」となります。)

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings\Zones\3
CurrentLevel = "0"

(註：変更前の上記レジストリ値は、「69632」となります。)

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings\Zones\3
1001 = "3"

(註：変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings\Zones\3
1201 = "0"

(註：変更前の上記レジストリ値は、「3」となります。)

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings\Zones\3
1601 = "0"

(註：変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Internet Settings\Zones\3
1C00 = "0"

(註：変更前の上記レジストリ値は、「65536」となります。)

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

Download and execute arbitrary files.
Shut down the computer.
Steal system information.
List security-related processes.

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

http://ip.{BLOCKED}n.net
http://tp.{BLOCKED}n.net

その他

マルウェアが作成するコンポーネントファイルは「PTCH_REDUS.A」として検出されます。

%system%\MSCTFIMEEXT.IME

マルウェアが実行するコマンドは以下のとおりです。

任意のファイルのダウンロードおよび実行
コンピュータのシャットダウン
システム情報の収集
セキュリティ関連プロセスの列挙

マルウェアは、ファイル "%system%\MSCTFIME.IME" をコピーし以下のように保存します。

%system%\MSCTFIMEEXT.IME

マルウェアは、コピーされたファイルのエクスポート機能 "ImeInquire" を変更し、自身の自動実行コンポーネントとして利用します。

そして、マルウェアは、以下のレジストリ値を追加し、キーボードが使用されているときに常に自身が自動実行されるようにします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\E6861806
IME File = "MSCTFIMEEXT.IME"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\E6861806
Layout File = "KBDUS.DLL"

マルウェアは、作成された以下のレジストリ値の「{encrypted chunk of codes}」を復号および実行する "svchost.exe" のメモリにコードを挿入します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC\Boot
Runner1 = "{encrypted chunk of codes}"

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

対応方法

対応検索エンジン: 9.300

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「BKDR_BOTIME.A」が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。

PTCH_REDUS.A

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告：レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC\Boot
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\E6861806

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC
- ie = "{malware's location}\{malware name}"
In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC
- id2 = "{16 alphanumeric characters}"
In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC
- it2 = "{binary data}"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
- Start Page = "about:blank"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
- PrivacyAdvanced = "0"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
- EnableHttp1_1 = "1"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
- CertificateRevocation = "1"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
- DisableCachingOfSSLPages = "1"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
- NoFavoritesMenu = "1"

このマルウェアが追加したレジストリ値の削除：

「レジストリエディタ」を起動します。
[スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、regedit と入力し、[OK]をクリックします。
※regedit は半角英数字で入力する必要があります（大文字／小文字は区別されません）。
「レジストリエディタ」の左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>ODBC
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
ie = "{malware's location}\{malware name}"
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
id2 = "{16 alphanumeric characters}"
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
it2 = "{binary data}"
「レジストリエディタ」の左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_USERS>.DEFAULT>Software>Microsoft>Internet Explorer>Main
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
Start Page = "about:blank"
「レジストリエディタ」の左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_USERS>.DEFAULT>Software>Microsoft>Windows>CurrentVersion>Internet Settings
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
PrivacyAdvanced = "0"
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
EnableHttp1_1 = "1"
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
CertificateRevocation = "1"
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
DisableCachingOfSSLPages = "1"
「レジストリエディタ」の左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_USERS>.DEFAULT>Software>Microsoft>Windows>CurrentVersion>Policies>Explorer
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
NoFavoritesMenu = "1"
「レジストリエディタ」を閉じます。

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

In HKEY_USERS\.DEFAULT\Keyboard Layout\Preload
- From: 1 = "E6861806"
  To: 1 = "00000409"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Zones\3
- From: CurrentLevel = "0"
  To: CurrentLevel = "69632"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Zones\3
- From: 1001 = "3"
  To: 1001 = "1"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Zones\3
- From: 1201 = "0"
  To: 1201 = "3"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Zones\3
- From: 1601 = "0"
  To: 1601 = "1"
In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Zones\3
- From: 1C00 = "0"
  To: 1C00 = "65536"

このマルウェアが変更したレジストリ値の修正：

「レジストリエディタ」を起動します。
[スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、"regedit" と入力し、[OK]をクリックします。
※"regedit" は半角英数字で入力する必要があります（大文字／小文字は区別されません）。
レジストリエディタの左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_USERS>.DEFAULT>Keyboard Layout>Preload
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索します。
1 = "E6861806"
[値の名前]上で右クリックし、[修正]または[変更]を選択します。[文字列の編集]ダイアログボックスが表示されたら、[値のデータ]を以下に変更します。
1 = "00000409"
レジストリエディタの左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_USERS>.DEFAULT>Software>Microsoft>Windows>CurrentVersion>Internet Settings>Zones>3
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索します。
CurrentLevel = "0"
[値の名前]上で右クリックし、[修正]または[変更]を選択します。[文字列の編集]ダイアログボックスが表示されたら、[値のデータ]を以下に変更します。
CurrentLevel = "69632"
再び、右側のパネルで以下のレジストリ値を検索します。
1001 = "3"
[値の名前]上で右クリックし、[修正]または[変更]を選択します。[文字列の編集]ダイアログボックスが表示されたら、[値のデータ]を以下に変更します。
1001 = "1"
再び、右側のパネルで以下のレジストリ値を検索します。
1201 = "0"
[値の名前]上で右クリックし、[修正]または[変更]を選択します。[文字列の編集]ダイアログボックスが表示されたら、[値のデータ]を以下に変更します。
1201 = "3"
再び、右側のパネルで以下のレジストリ値を検索します。
1601 = "0"
[値の名前]上で右クリックし、[修正]または[変更]を選択します。[文字列の編集]ダイアログボックスが表示されたら、[値のデータ]を以下に変更します。
1601 = "1"
再び、右側のパネルで以下のレジストリ値を検索します。
1C00 = "0"
[値の名前]上で右クリックし、[修正]または[変更]を選択します。[文字列の編集]ダイアログボックスが表示されたら、[値のデータ]を以下に変更します。
1C00 = "65536"
レジストリエディタを閉じます。

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン（エンジン、パターンファイル）を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_BOTIME.A」と検出したファイルの検索を実行してください。検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

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