Trend Micro Security

BKDR_BLACKEN.B

2016年1月28日
 更新者 : Rhena Inocencio

 別名:

Win32/Rootkit.BlackEnergy.BE (ESET), Backdoor.Win32.Fonten.q (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

これは、2015年12月にウクライナの産業に影響を与えた標的型攻撃「BlackEnergy」における最終的な不正活動を実行するマルウェアです。この攻撃の背後に存在する攻撃者は、通常Excelファイルをソーシャルエンジニアリングの「エサ」の一部として利用します。しかし今回の事例では、文書ファイルがユーザを欺く手法として利用されました。

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 55,808 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年1月5日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

マルウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  • X2KM_FONTEN.B

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %AppDataLocal%\FONTCACHE.DAT
    This is executed as follows: rundll32.exe "%AppDataLocal%\FONTCACHE.DAT",#1

(註:%AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %User Profile%\NTUSER.LOG

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<スタートアップ>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\{GUID}.lnk

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKCU\Software\Microsoft\
Internet Explorer\PhishingFilter
Enabled = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
CACHE
Persistent = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\TabbedBrowsing
WarnOnClose = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\TabbedBrowsing
WarnOnCloseAdvanced = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
DisableFirstRunCustomize = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Recovery
NoReopenLastSession = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
NoProtectedModeBanner = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\InformationBar
FirstTime = "0"

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Uninstall
  • Execute shell command
  • Download a file
  • Load plugin

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.254.114/Microsoft/Update/KC074913.php
    • sends the following: b_id={computer name}_{ID}&b_gen=release&b_ver=2.2&os_v={OS version}&os_type={OS type}

その他

"%AppDataLocal%\FONTCACHE.DAT"は、次のように実行されます。

  • rundll32.exe "%AppDataLocal%\FONTCACHE.DAT",#1

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • アンインストール
  • シェルコマンドの実行
  • ファイルのダウンロード
  • プラグインの読み込み

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.254.114/Microsoft/Update/KC074913.php
    • マルウェアは以下を送信します。
      b_id={computer name}_{ID}&b_gen=release&b_ver=2.2&os_v={OS version}&os_type={OS type}


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.254.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年1月5日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.255.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年1月6日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「BKDR_BLACKEN.B」 を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

    • X2KM_FONTEN.B

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\PhishingFilter
    • Enabled = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\CACHE
    • Persistent = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\TabbedBrowsing
    • WarnOnClose = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\TabbedBrowsing
    • WarnOnCloseAdvanced = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • DisableFirstRunCustomize = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Recovery
    • NoReopenLastSession = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • NoProtectedModeBanner = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\InformationBar
    • FirstTime = "0"

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Startup%\{GUID}.lnk

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_BLACKEN.B」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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