Trend Micro Security

BKDR64_AGENT.GTY

2013年10月24日
 解析者: Alvin Bacani   

 別名:

Win64/Kryptik.EJ (ESET-NOD32)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定レベルを下げます。


  詳細

ファイルサイズ 71,680 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2013年10月18日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • "%User Temp%\{random folder name}\{random folder name}\wow.dll" - detected as BKDR64_AGENT.GTY

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • "%User Temp%\{random folder name}\{random folder name}\wow.ini"

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • Explorer.exe

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\{random folder name}\{random folder name}

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{fbeb8a05-beee-4442-804e-409d6c4515e9}\
InProcServer32
[Default] = "%User Temp%\{random folder name}\{random folder name}\wow.dll"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"%System%\SHELL32.dll」となります。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\
clsid\{fbeb8a05-beee-4442-804e-409d6c4515e9}\inprocserver32
[Default] = "%User Temp%\{random folder name}\{random folder name}\wow.dll"

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
iehardenienowarn = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Setting
warnonbadcertrecving = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
warnonpostredirect = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
url history
daystokeep = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer
smartdithering = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer
autosearch = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\LowRegistry\DontShowMeThisDialogAgain
displaytrustalertdlg = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
noprotectedmodebanner = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
ie9runonceperinstallcompleted = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
ie9tourshown = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
smoothscroll = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
show image placeholders = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
usethemes = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
force offscreen composition = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
ZoneMap
ieharden = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\internet explorer\main
DisableFirstRunCustomize = "1"

バックドア活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}f.com
  • {BLOCKED}f.com

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

マルウェアは、IEのセキュリティ設定レベルを下げます。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 10.350.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年10月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.351.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年10月18日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

スタートアップディスク、または、回復コンソールを用いて、「BKDR64_AGENT.GTY」として検出されたファイルを確認し削除します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\clsid\{fbeb8a05-beee-4442-804e-409d6c4515e9}\inprocserver32
    • [Default] = "%User Temp%\{random folder name}\{random folder name}\wow.dll"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • iehardenienowarn = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • warnonbadcertrecving = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • warnonpostredirect = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\url history
    • daystokeep = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer
    • smartdithering = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer
    • autosearch = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\LowRegistry\DontShowMeThisDialogAgain
    • displaytrustalertdlg = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • noprotectedmodebanner = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • ie9runonceperinstallcompleted = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • ie9tourshown = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • smoothscroll = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • show image placeholders = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • usethemes = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • force offscreen composition = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\ZoneMap
    • ieharden = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\internet explorer\main
    • DisableFirstRunCustomize = "1"

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{fbeb8a05-beee-4442-804e-409d6c4515e9}\InProcServer32
    • From: [Default] = "%User Temp%\{random folder name }\{random folder name}\wow.dll"
      To: [Default] = "%System%\SHELL32.dll"

手順 5

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %User Temp%\{random folder name}\{random folder name}

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「BKDR64_AGENT.GTY」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

RESTORE
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