Trend Micro Security

Backdoor.Win32.REMCOS.TICOGBZ

2018年10月29日
 解析者: Robert Nicole Malagad   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 Eメールを介したスパム活動, 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

トレンドマイクロは、拡張子「.Z」ファイルを拡散するスパムメール送信活動を確認しました。マルウェアは、このスパムメールに作成されるペイロードです。感染コンピュータのファイルの開封、アップロードおよび削除、ファイル名の変更、キーストロークの記録、またコンピュータのカメラとマイクを使用し画像や音声をキャプチャする機能を備えています。

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。 マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 1,325,055 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2018年8月23日
ペイロード システム情報の収集, URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの実行, 情報収集, ファイルの作成, ファイルの削除, システムのレジストリの変更

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\Music\regdrv.exe
  • %User Profile%\Videos\Regdriver.exe

(註:%User Profile%フォルダは、現在ログオンしているユーザのプロファイルフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\aspr_keys.ini ← (to be deleted afterward)
  • %User Profile%\Music\aspr_keys.ini ← (to be deleted afterward)
  • %Application Data%\remcos\logs.dat← (component file)

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %User Profile%フォルダは、現在ログオンしているユーザのプロファイルフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>" です。. %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Profile%\Music\regdrv.exe

(註:%User Profile%フォルダは、現在ログオンしているユーザのプロファイルフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Remcos_Mutex_Inj
  • explorer-{Random Characters}

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Registry Driver = %User Profile%\Videos\Regdriver.exe

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\explorer-{Random Characters}
lic = {Hex Values}

HKEY_CURRENT_USER\Software\explorer-{Random Characters}
exepath = {Hex Values}

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Perform ping
  • Enumerate drives
  • List all files
  • Open file/s
  • Get file/s from affected computer
  • Upload file/s to affected computer
  • Delete file/s from affected computer
  • Rename file/s from affected computer
  • Create new directory
  • Search a file from affected computer
  • Download file from url
  • Download file from local
  • Enumerate process
  • Terminate process
  • Maximize/Minimize application
  • Switch application
  • Terminate application
  • Open cmd
  • Open webpage
  • Open screen capture
  • Open keylogger
  • Set affected computer to send logs automatically
  • Deletes cookies and stored browser logins
  • Get screenshot
  • Capture image from camera if available
  • Capture voice from mic if available
  • Acquire user password
  • Display a messagebox to affected computer
  • Sends keyboard input
  • Sends mouse click
  • Shutdown affected Computer
  • Copy clipboard data
  • Set clipboard data
  • Clear clipboard data
  • Manipulate registry entries

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.30.116

<補足>
インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\aspr_keys.ini ← (後に削除される)
  • %User Profile%\Music\aspr_keys.ini ← (後に削除される)
  • %Application Data%\remcos\logs.dat ← (コンポーネントファイル)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Remcos_Mutex_Inj
  • explorer-{ランダムな文字列}

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • pingを実行する
  • ドライブを列挙する
  • すべてのファイルを一覧表示する
  • ファイルを開く
  • 感染コンピュータからファイルを取得する
  • 感染コンピュータにファイルをアップロードする
  • 感染コンピュータからファイルを削除する
  • 感染コンピュータ内のファイルのファイル名を変更する
  • 新しいディレクトリを作成する
  • 感染コンピュータ内のファイルを検索する
  • ファイルをURLからダウンロードする
  • ローカルからファイルをダウンロードする
  • プロセスを列挙する
  • プロセスを終了する
  • アプリケーションの最大化/最小化
  • アプリケーションの切り替え
  • アプリケーションを終了する
  • cmdを開く
  • Webページを開く
  • スクリーンキャプチャを開く
  • キーロガーを開く
  • 感染コンピュータが自動的にログを送信するように設定する
  • Cookieと保存されたブラウザログインを削除する
  • スクリーンショットを取得する
  • 可能ならカメラから画像をキャプチャする
  • 可能ならマイクから音声をキャプチャする
  • ユーザのパスワードを取得する
  • 感染コンピュータにメッセージボックスを表示する
  • キーボード入力情報を送信する
  • マウスクリック情報を送信する
  • 感染コンピュータをシャットダウンする
  • クリップボードのデータをコピーする
  • クリップボードのデータを設定する
  • クリップボードのデータを消去する
  • レジストリエントリを操作する

その他

マルウェアは以下の情報を収集し、サーバに報告します。

  • コンピュータ名
  • システムタイプ
  • 製品名
  • プライマリアダプタ
  • ユーザのアクセス権(管理者または管理者以外)
  • ユーザプロファイル
  • ユーザ名
  • ユーザドメイン
  • プロセッサリビジョン番号
  • プロセッサレベル
  • プロセッサ識別子
  • プロセッサアーキテクチャ
  • システムタイプ(32ビットまたは64ビット)


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.572.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年10月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.573.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年10月19日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

「Backdoor.Win32.REMCOS.TICOGBZ」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • explorer-{Random Characters}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Registry Driver

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\aspr_keys.ini
  • %User Profile%\Music\regdrv.exe
  • %User Profile%\Videos\Regdriver.exe
  • %User Profile%\Music\aspr_keys.ini
  • %Application Data%\remcos\logs.dat

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Backdoor.Win32.REMCOS.TICOGBZ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください